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今さら聞けない…職場の生産性を高める『心理的安全性』とは!?

 心理的安全性とは、「チームにおいて、他のメンバーが自分が発言することを恥じたり、拒絶したり、罰をあたえるようなことをしないという確信をもっている状態であり、チームは対人リスクをとるのに安全な場所であるとの信念がメンバー間で共有された状態」を指します。1999年にハーバード大学・エドモンド教授により提唱され、2015年にアメリカのGoogle社の研究チームがその効果を検証したことで注目を集めました。

 あなたの会社や組織では、たとえば上司や先輩の意見に対して別の意見を述べると批判されてしまう、新しいアイデアややり方を見つけてもはじめから否定されてしまう…という雰囲気はないでしょうか?そのような組織ではメンバーが積極的に関わることを恐れるようになります。結果として、より良くなるための生産的な発想が出づらいだけでなく、ミスや不明点があっても言い出し難い、リスクの高い組織となってしまいます。

 そのような組織を生まないように、ここでは心理的安全性のポイントと、高めるための行動についてご紹介します。


◆心理的安全性がもたらすメリット

職場の心理的安全性が高まると、次のようなメリットがあります。

・メンバーが自律的に動くことができる

・意義のある対立が生まれる

・イノベーションが促進される

 職場には多くの“不安”がつきものです。たとえば分からないことを質問する場合には、そんなことも分からないの?と思われる不安から誰かに声をかけるのが躊躇われたり、自分の意見や考えを述べる場では、議論をストップさせて邪魔になってしまうのではという不安から発言を飲み込んでしまったり…。こうした恐れを取り除く意味でも、心理的安全性を高めることは効果的です。


◆役職の低い人ほど心理的安全性が低い?

 一般的に、組織内で権限を持たない人、すなわち役職の低い人ほど心理的安全性が低いと言われています。それは先述の不安に起因するもので、ピラミッド型組織による影響と言えます。当社の調査でも、一般社員は係長クラス、課長クラスの人と比べて心理的安全性が低いということが明らかになりました。

 

 しかし実際には一般社員の方が分からないことが多く、上長に質問したり考えを伝えたりする機会が多くあります。つまり本来は、役職の低い人ほど心理的な安全が高い環境が必要なのです。分からないことを素直に尋ね、現場で出た意見を率直に伝えることができれば、より生産性の高い組織になると考えられます。

 そのためのキーパーソンとなるのが、組織の管理職やリーダーです。管理職やリーダーがチームの心理的安全性を左右すると言っても過言ではありません。

 

◆心理的安全性を高める

 それでは、心理的安全性を高めるにはどのようにすればよいのでしょうか?ここでは特に、管理職・リーダーがとるべき行動に注目して紹介します。


1.メンバーの参加を促す

 心理的安全性の高い職場では、メンバーが積極的かつ自主的に議論に参加することができます。会議やミーティングで、気が付けば一部の人しか話していないような状況はないでしょうか?一方的に誰かが発信するだけの場にならないよう、進行役を任せたり意見を求めたりと、メンバーの参加を促しましょう。特にWEB会議では聞くだけの姿勢になりがちなので、管理職やリーダーは意識的に働きかけることが重要です。メンバーの参加を促すような質問を投げかける等、工夫を凝らしましょう。


2.リーダー自身が理解不足や間違いを認める

 仕事をする上で、分からないことや間違えることは誰にでも起こりえます。多くの管理職やリーダーはそれを認めることを恐れてしまいますが、自身の失敗や間違いをきちんと認めることは、実は組織の心理的安全性を高めるのです。日頃から理解不足や自分のミスについて認める姿勢をとることで、メンバーも「分からないことやミスがあったら素直に伝えよう」という意識になり、失敗への不安が軽減されて自律的に行動を起こすことができるようになります。


3.枠組みを明確にする

 メンバーが主体的に動き活発な議論が交わされるようになると、「それぞれが自由に動いてしまい、チームとしてのまとまりがなくなってしまうのでは」という懸念が起こるでしょう。そうならないために、きちんと枠組みやルールを明確に設けることが重要です。

 たとえば営業部門であれば、メンバーが自由に価格の値引きをしないよう、現場の判断で値引いていい割合を明確に設定したり、見積り提示前の社内確認フローを明文化したりしておくことが必要です。それによりメンバーは自分が主体的に動ける範囲が明確になり、その範疇においてはより活発に動くことができます。メンバーを守るためにも、枠組みの明確化は大切といえます。


そして、これらの行動が効果的に働くために日頃から心がけておきたいのが、直接話ができる環境・雰囲気づくりです。忙しすぎて直接話しかけづらかったり、日常的なコミュニケーションがなかったりと関係性が乏しい場合には、当然ながら心理的安全性が高くなり難いと言えます。テレワーク下においても、1on1などを活用して管理職・リーダーがメンバーと直接話ができる機会を設けることをお勧めします。

 まずは管理職・リーダー自身の働き方を含めた職場の振り返りを行い、心理的安全性の高い、生産的な組織を目指しましょう。


文責:保健同人社EAPコンサルタント


参考文献:「チームが機能するとはどういうことか ― 「学習力」と「実行力」を高める実践アプローチ」エイミー・C・エドモンドソン著(2014)


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