
【速報】第5回 健康経営推進検討会(2026年3月)完全まとめ 今後の方向性と制度変更4つのポイント
2026年3月17日に開催された経済産業省の「第5回 健康経営推進検討会」では、新設「Premier」称号、テーマ別評価、ライフデザイン経営、健康投資額の可視化等が議論されており、人事担当者が把握しておくべき情報が一気にアップデートされています。
本記事では、「第5回 健康経営推進検討会」の内容を人事・健康経営推進担当者向けに徹底解説し、今後の制度変更を先取りして対応するための実務情報をまとめました。
なお第五回の検討会を受けて、今年も経済産業省の方に登壇いただく健康経営セミナーを開催します。最新の内容を踏まえた動向を解説いただく予定ですので興味がある方はぜひ以下よりお申し込みください。(アーカイブ配信も予定しております。)

目次[非表示]
- 1.今後の健康経営の方向性
- 1.1.量的拡大から質の向上へ
- 1.2.社会への波及(健康経営2.0)
- 1.3.資本市場・労働市場への浸透
- 1.4.性差・ライフステージに応じた支援
- 1.5.担当者が押さえておきたいポイント
- 2.制度変更の4つのポイント
- 3.中小企業向け施策の拡充
- 3.1.インセンティブの強化
- 3.2.サポート体制の整備
- 4.まとめ:健康経営は「経営戦略」
今後の健康経営の方向性
健康経営は、「やっておくと良いもの」から「やらないと遅れをとるもの」へと変わりました。
認定取得を目指す時代から、取り組みの「質」と「持続性」が問われる時代へとフェーズがシフトしたことが、今回の検討会で明確に示されていました。
今後の健康経営は、単なる福利厚生施策ではなく、「人的資本経営」の中核をなす戦略的投資として位置づけられています。
今回の検討会で経済産業省が示した健康経営の今後の方向性は大きく4つに集約されます。
量的拡大から質の向上へ
認定法人数は過去最多を更新し続けていますが、今後は経営計画へのKPI組み込みや、取締役会での意思決定を通じた「経営戦略」としての深化が求められます。
人的資本投資のROIを明確に示す「攻めの健康経営」へのシフトが加速します。
社会への波及(健康経営2.0)
自社完結型の取り組みから、サプライチェーンや地域社会、さらには国際社会へと成果を波及させることを目指します。「社外への普及活動」が新たな評価軸となっていきます。
資本市場・労働市場への浸透
投資家が適切に評価できるよう「健康投資額」の見える化を進め、学生・求職者への認知向上を図ります。ESG投資の文脈でも非財務情報として定着が進み、上場企業の約3割が参画しています。
性差・ライフステージに応じた支援
政府の「攻めの予防医療」方針と連動し、女性特有の健康課題・男性更年期・ライフデザイン経営・プレコンセプションケア(将来の妊娠を視野に入れた健康管理)などの新領域を重視します。
※今後、さらに注目したい「攻めの予防医療に向けた性差に由来するヘルスケア」
政府は「攻めの予防医療」を国家戦略として位置づけ、2025年12月より「攻めの予防医療に向けた性差に由来するヘルスケアに関する副大臣等会議」を設置しています。
主な論点は4つ
- 「女性の健康総合センター」を司令塔とした取組の推進
- 性差に由来する健康課題に対する生涯にわたる取組の推進
- 性差に由来する健康課題に対応するための研究開発の推進
- 企業・保険者における対応の推進
構成メンバーには経済産業副大臣も名を連ねており、健康経営・フェムテック・ヘルスケア産業・中小企業の観点から政策に関与しています。
担当者が押さえておきたいポイント
「健康経営=担当業務の一つ」ではなく、「人的資本価値を最大化する戦略的手段」として経営層と同じ言語で語れるかが問われています。
制度対応から経営戦略への昇華が、さらに求められています。
制度変更の4つのポイント
次年度以降、以下の4点で大きな変更・新設が検討されています。
人事担当者として、先んじて準備を進める必要があります。
健康経営銘柄「Premier(プレミア)」の新設
健康経営銘柄に継続的に選定されてきたトップランナー企業を顕彰する新称号として、健康経営銘柄「Premier(プレミア)」が、2026年度より創設されます。
単発評価ではなく、長期にわたって高水準を維持した企業を認定する制度です。
認定の要件は下記です
要件 1 :健康経営銘柄に通算10回以上選定されていること
要件 2 :当該年にも健康経営銘柄に選定されていること
要件 3:サプライチェーン(取引先)・地域社会への普及活動を行っていること
継続条件 :「ホワイト500」認定を維持し続けること(取得後も必須)
殿堂入り(プレミア)企業は単なる顕彰対象にとどまらず、「業界全体を牽引するロールモデル・アンバサダー」としての役割を担うことが期待されています。
テーマ別の取組評価の導入
認定取得企業が急増する中にあっても「100社あれば100通りの健康経営」を追求できるよう、健康経営度調査票による画一的な評価だけでなく企業が自社の経営課題に即したテーマを自由に設定し、その独自の取組を評価・公表する仕組みの導入が検討されています。
2026年度からの本格導入を視野に、取組内容の評価方法や客観性の担保についてはさらなる検討が必要とされています。
■評価で問われるのは「健康経営のストーリー」
施策の数ではなく、企業ごとの独自の「なぜやるのか」と「どう変わったか」の論理的整合性(ストーリー)が重要視され、「わが社の健康経営はなぜ企業価値向上に繋がるのか」の発信が問われます。
■想定テーマ(企業が選択または自由設定可能)
- 女性の健康
- 仕事と介護・治療・育児の両立
- 心の健康(メンタルヘルス)
- 食生活・運動年齢に配慮した職場づくり
- ROI・企業価値向上
- 企業独自テーマ(逆提案可)
■ベストプラクティス事例集として公表予定
選定規模は大規模10社程度、中小40社程度。
- 大規模法人部門:健康経営度調査に基づく一定水準以上の取組を実施していること ※資金や企業規模の影響が少ない「1.経営理念・方針」 「4.評価・改善」のスコアが一定以上
- 中小規模法人部門:ブライト500へ申請していること
▶ 担当者へのヒント: 今すぐストレスチェック結果やエンゲージメント調査データと健康施策の相関を分析し、「エビデンスに基づいたストーリー」として記述できる体制をつくりましょう。
「ライフデザイン経営」に関する設問の新設
社員がキャリアと私生活を両立し、人生設計を実現できる環境を整える「ライフデザイン経営」の設問が、大規模法人部門の調査票にアンケート項目として設問を新設することが検討されています。
検討中の項目案:
- 経営層からのメッセージ発信(ライフデザインへの理解・後押し)
- 柔軟な人材戦略の策定(多様な働き方・キャリアパスの設計)
- 個別の相談体制の整備(プレコンセプションケア・介護・更年期等)
「攻めの予防医療」方針との連動により、男女ともにライフステージに応じた健康支援が評価軸に加わります。
「健康投資額」の可視化
企業が健康経営に投じている費用を算出・開示させる設問の導入が検討されています。
投資家や求職者に対し、企業の健康投資姿勢を定量的な指標で示すことが目的です。
- 健康診断・ストレスチェック・各種施策にかかるコストを「投資」として算出・開示
- 非財務情報としての開示基準整備へつながる可能性
なお、第五回の検討会の内容を受けた健康経営セミナーを3/24に開催予定です。今年も経済産業省の担当者の方に登壇いただく予定です。アーカイブ配信も予定しておりますので、気になる方はぜひ以下ページよりお申し込みください。
中小企業向け施策の拡充
中小規模法人部門の認定数は23,085件(前年度比約16.6%増)と過去最高水準を記録。
背景には歴史的水準の人手不足があります。
中小規模法人の健康経営認定取得企業の調査では、91%が「従業員の健康状態の改善」を、79%が「組織の活性化」を実感しています。
健康経営は今や、労働市場で「選ばれる企業」になるための事実上のパスポートです。
中小企業の裾野拡大に向けて、以下の施策が並行して進められます。
インセンティブの強化
①主要補助金での加点予定の対象
- 成長加速化補助金
- 大規模成長投資補助金
- 省力化投資補助金
- 持続化補助金
②日本政策金融公庫「働き方改革推進支援資金」特別利率への「ネクストブライト1000」の追加
認定区分 | 適用利率 | 基準利率との差 |
ホワイト500・ブライト500・ネクストブライト1000 | 特別利率② 1.10% | ▲0.65% |
健康経営優良法人認定 | 特別利率① 1.35% | ▲0.40% |
(参考)基準利率 | 1.75% |
サポート体制の整備
- 2026年度:「女性の健康サポートデスク」の設置を予定
- よろず支援拠点や商工会・商工会議所等の経営支援機関と連携した伴走型支援の強化
- 小規模事業者向け特例制度の見直し(より多くの企業が申請しやすい制度設計を検討)
まとめ:健康経営は「経営戦略」
今回の検討会では、健康経営がいよいよ「制度対応」から「経営戦略」へと本格的にフェーズ転換していることが示されています。
銘柄「Premier」の新設、テーマ別評価の導入、ライフデザイン経営への対応、健康投資額の可視化——これらはいずれも、取り組みの「質」と「ストーリー」を問うものです。
健康経営優良法人認定を取ることがゴールではなく、「なぜやるのか」「何が変わったのか」を経営の言語で語れるかどうかが、これからの差別化ポイントになります。
中小企業においても、補助金加点や融資優遇といった直接的なメリットが拡充される中、「健康経営をどう自社の成長戦略に組み込むか」を今すぐ考え始める必要があります。
とはいえ、「何から手をつければいいかわからない」「社内にノウハウがない」とお悩みの担当者も多いのではないでしょうか。
MBK Wellness株式会社の『健康経営支援サービス』では、健康経営を専門職コンサルタントが年間で企業の健康経営をサポートしています。初めにしっかりヒアリングをし、企業の特色・風土を理解したうえで健康経営の課題や強み・弱みを分析し、優先順位付けから施策の提案を行います。
また、健康経営施策となる教育動画やセミナー、効果検証ができるストレスチェックなど、健康経営に資するサービスを展開しております。
導入事例や機能詳細をまとめた資料も無料でご提供しておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。













