
管理職支援のヒント|管理職の疲弊は個人の問題か、組織の課題か
管理職の多くは、自らの業務目標を持ちながらチームを率いる「プレイングマネージャー」です。近年、この立場にある管理職の疲弊が課題として注目されています。
この記事では、プレイングマネージャーとして業務とメンバーケアを同時に担う管理職の「見えない負荷」が、なぜ本人の資質の問題ではなく組織の支援体制の課題なのか、そしてそれに対してを解説します。
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プレイングマネージャーが抱える「見えない負荷」
プレイングマネージャーには、自分自身の業務遂行と、メンバーの育成・ケアという二つの役割が同時に求められます。
業務のマネジメントについては、目標管理やプロジェクト管理など、これまでの経験の中で培ってきた知識やノウハウが活かせるため、管理職自身の判断で対応できる場面が多くあります。また、必要であれば上司や同僚に相談しやすい領域でもあります。
一方で、メンバーの心身の状態への配慮やメンタルヘルス面のケアは、性質が異なります。部下の不調に気づいても、どこまで踏み込んでよいか分からず、専門知識も不足しているため、管理職個人が「抱え込んでしまう」ケースが少なくありません。
また、部下のプライベートな悩みや不調に関する対応は、他の管理職や上司にも相談しにくいという心理的なハードルもあります。
このように、業務マネジメントとメンバーケアは求められるスキルも相談のしやすさも異なるため、後者の負荷が管理職に見えないかたちで蓄積していきます。
管理職のメンタル不調が組織に及ぼすリスク
こうした負荷が続くと、管理職自身にも疲弊感が蓄積していきます。
株式会社リクルートマネジメントソリューションズが管理職を対象に実施した調査では、「心身ともに疲れはてたと感じることがある」「仕事のために心にゆとりがなくなったと感じることがある」といった項目に「あてはまる」「ややあてはまる」と回答した管理職が4〜5割程度に上ることが分かっています(同社「管理職のメンバーに対するイメージとマネジメントの状態に関する調査」より)。
管理職の多くが、仕事の意義を感じながらも、同時に切迫感や疲労感を抱えているのが実態です。
メンタルヘルス不調は、個人の資質ではなく、企業が向き合うべき経営課題として顕在化しています。
さらに、管理職の不調は本人の問題にとどまりません。
管理職の状態はチームの心理的安全性や雰囲気に直結するため、管理職が疲弊すればメンバーへのケアの質も低下し、職場全体の状態悪化につながる可能性があります。
管理職の不調は、組織にとって連鎖的なリスクとなり得るのです。
こうした管理職のメンタル不調やチームへの影響は、人事担当者にとっても対応が難しい領域です。
案件ごとに個別性が高く、機微な内容を含むことが多いため、人事担当者が一人で抱え込みやすく、対応には専門知識が求められる場面も少なくありません。
管理職本人だけでなく、人事担当者自身も「どこまで踏み込むべきか分からない」というジレンマを抱えているケースは多く見られます。
管理職支援を「個人の問題」にしない組織的アプローチ
管理職は事業経営の要となる存在です。だからこそ、管理職のメンタルケアを個人の資質や努力の問題として捉えるのではなく、組織として支援する仕組みを整えることが重要です。
具体的な方法の一つが、外部の専門機関による相談窓口(EAP)の活用です。
管理職自身が相談できる場を社外に持つことで、社内では話しにくい悩みも安心して共有でき、早期のセルフケアにつながります。
ここで見落とされがちなのが、「管理職自身が相談できる窓口」であることに加え、「管理職が部下対応に悩んだときに相談できる窓口」であるかどうかという視点です。
従業員向けの担当制カウンセリングだけでなく、管理職向けのコンサルテーション(部下の不調への対応相談、職場環境改善のアドバイスなど)を提供できる体制があるかどうかで、管理職支援の実効性は大きく変わります。
もう一つは、管理職向けの研修や勉強会を通じて、メンバーのメンタルヘルスに関する基礎知識や対応スキルを補完することです。
傾聴の姿勢や、専門機関につなぐタイミングの判断基準などを学ぶことで、管理職が「一人で抱え込まなくてよい」状態をつくることができます。
管理職への支援がもたらす好循環
管理職への支援は、管理職本人のケアだけでなく、その先のメンバーへのケアの質にも良い影響を与えます。
管理職が安心して相談できる環境があれば、メンバーへの対応にも余裕が生まれ、結果として職場全体の心理的な健全性の向上にもつながっていきます。
管理職支援は、組織全体の職場環境改善への間接的な投資であるといえます。
管理職支援を、今の体制でどう実現するか
プレイングマネージャーの疲弊は、個人の資質の問題ではなく、組織の支援体制の課題です。
管理職が安心してメンバーのケアに向き合える環境を整えることが、結果的に組織全体の健全性を高める第一歩となります。
そのために必要なのは、管理職がメンバーへの対応に迷ったときに、気軽に相談できる仕組みを整えることです。
すでに社外相談窓口を導入している場合は、その窓口が「従業員からの相談のみ」を前提にしたものか、「管理職からの相談」や「人事からのリファー」にも柔軟に対応できるものか、一度見直してみることをおすすめします。
また、ストレスチェックの結果を確認する中で、特定の部署や管理職層のスコアに気になる傾向を感じたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。そうした兆候は、管理職支援を見直すきっかけになり得ます。
管理職自身が相談できる先を持ち、対応が難しいケースは専門家に委ねられる。この二重の支援体制が整うことで、管理職の負担軽減と、メンバーケアの質の両立が実現します。
当社は、こうした管理職支援を含むEAPカウンセリングにおいて、大手企業を中心に導入が進み、単一導入では国内最多水準の実績があります。
もし今の体制で、管理職特有の悩みへの対応や、管理職支援が十分でないと感じる場合は、ぜひ一度当社にご相談ください。サービス資料では、専属カウンセラーの体制や、対応範囲・受付時間などの具体的な違いをご紹介しています。
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