
ストレスチェック報告書作成・提出完全ガイド |提出方法・記入例・電子申請・注意点まで徹底解説
企業の人事・労務担当者にとって、ストレスチェック制度の運用は年次業務のひとつ。
中でも「報告書の作成・提出」は、法令遵守の観点からも重要なステップです。
しかし、「どこに提出するの?」「記入項目は?」「電子申請できる?」など、疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
本記事では、ストレスチェック報告書の基本から、提出方法、記入例、電子申請の手順、よくあるミスと対策まで詳しく解説します。
初めて担当する方も、毎年の確認として読みたい方にも、お役に立てる情報としてまとめました。
目次[非表示]
ストレスチェック報告書とは
正式名称は「心理的な負担の程度を把握するための検査結果等報告書」です。
労働安全衛生法に基づき、常時50人以上の労働者を使用する事業場は、年1回以上ストレスチェックを実施し、その結果を所轄の労働基準監督署へ報告する義務があります。
報告書は、事業場単位で提出する必要があり、企業本社が一括で提出することはできません。
報告対象は「事業場」である点に注意しましょう。
提出義務のある事業者と対象労働者
提出義務がある事業者は「常時50人以上の労働者を使用する事業場」です。
ここで言う「常時」とは、ストレスチェック実施月の末日時点で常用雇用されている人数を指しますのでご注意ください。
また労働者数に含まれないケースは以下の通りです。
- 派遣社員(派遣元が実施)
- 所定労働時間が通常の4分の3未満の短時間労働者
- 海外勤務者
提出しない場合の罰則
報告書の未提出や虚偽記載には、労働安全衛生法第120条の5に基づき、最大50万円の罰金が科される可能性があります。
また、労働基準監督署長から提出命令が出されることもあります。
報告書作成から提出の具体的な方法
作成方法
作成方法には、様式ダウンロードもしくはオンライン作成の2通りがあります。
- 報告書のPDF様式を使う場合・厚生労働省の公式サイトからダウンロードし、手書きまたはPC入力(PDFはこちら)もしくはこちらを参照(心理的な負担の程度を把握するための検査結果等報告書 - 厚生労働省|厚生労働省)
- 厚労省の「入力支援サービス」を利用してオンライン作成する場合
こちらを参照(労働安全衛生法関係の届出・申請等帳票印刷に係る入力支援サービス)
提出方法
提出方法には、紙と電子申請の2通りがあります。
① 紙で提出する場合
報告書用紙に必要事項を記入し、所轄の労働基準監督署へ持参または郵送します。
※印刷時は白色度80%以上の用紙を使用し、コピー用紙の再利用は不可
② 電子申請する場合
e-Gov電子申請システム(トップ | e-Gov電子申請)を利用して申請します。
電子申請の方法
- e-Govアプリをインストールし、アカウントを登録
- 申請画面で「心理的な負担の程度を把握するための検査結果等報告書」を選択
- 必要事項を入力し、添付書類をアップロード
- 提出後は、マイページで進捗確認
電子初めての方はこちらもご確認下さい→e-Govを初めてお使いの方へ | e-Gov電子申請
提出期限とタイミング
法律上、明確な提出期限は定められていませんが、ストレスチェック実施後、速やかに提出することが求められます。多くの企業では、実施月の翌月〜翌々月を目安に提出しています。
提出が遅れると、労基署からの指導や罰則の対象となる可能性があるため、早めの対応が望ましいです。
報告書の記入項目と注意点
以下の項目を正確に記入する必要があります。
項目 | 内容 |
労働保険番号 | 事業場ごとの番号 |
対象年 | 実施した年 |
検査実施年月 | ストレスチェックを実施した年月 |
事業の種類 | 日本標準産業分類に基づく分類 |
事業場名・所在地 | 正確な名称と住所 |
在籍労働者数 | 実施月末時点の常用労働者数 |
検査受検者数 | 実際に受検した人数 |
面接指導実施数 | 医師面接を受けた人数 |
実施者情報 | ストレスチェックを実施した者の氏名・所属 |
面接指導医師情報 | 医師の氏名・所属医療機関 |
集団分析の有無 | 実施したかどうか |
産業医情報 | 氏名・医療機関・所在地 |
記入時の注意点
- 記入漏れは受理されない可能性あり
- 誤記載は法令違反となる可能性あり
- 厚労省指定様式以外は使用不可
よくあるミスと対策
ミスの内容 | 対策 |
労働者数の誤記 | 実施月末時点の常用雇用者数を正確に把握 |
面接指導人数の記載漏れ | 医師面接の実施記録を確認 |
提出先の誤り | 事業場所在地の所轄労基署を確認 |
電子申請の操作ミス | e-Govのガイドを事前に確認し、アプリを準備 |
報告書作成を効率化するツールの活用
近年では、ストレスチェック実施後に報告書を自動作成できるツールも登場しています。たとえば「HoPEサーベイ」では、受検結果をもとに報告書の必要項目を自動で抽出・出力できる機能を備えており、人的ミスの防止や業務効率化に貢献します。
まとめ
ストレスチェック報告書は、単なる提出義務を果たすための書類ではありません。職場環境の改善や従業員のメンタルヘルス対策を実効性あるものにするための「制度運用の要」です。
人事・労務担当者は、報告書の正確な作成と提出を通じて、企業の信頼性と従業員の健康保持に貢献できます。電子申請やツールの活用も視野に入れ、効率的かつ確実な運用を目指しましょう。
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