お役立ちコラム

健康経営ガイドブック【2025年3月公開】要約 ~健康経営の導入から実践・KPI活用まで~

企業の持続的な成長を支えるキーワードとして、近年ますます注目を集めている「健康経営」。

従業員の健康を経営戦略の一環として捉えることで、生産性の向上や離職率の低下、企業イメージの向上など、さまざまなメリットが期待されています。

とはいえ、 「何から始めればいいのか分からない」 「すでに取り組んでいるけれど、次の一手が見えない」 そんな悩みを抱える企業も多いのではないでしょうか。

本記事では、2025年3月に経済産業省が発行した91ページにわたる『健康経営ガイドブック』を要約し、健康経営の基本から実践のポイント、KPIの活用法までを、簡潔にわかりやすく解説しています。

これから導入を検討している企業も、すでに取り組んでいる企業も、まずはガイドブックの概要をつかみ、健康経営の次のステップを見つけるヒントにしてください。

目次[非表示]

  1. 1.健康経営とは?企業にとっての意義とメリット
    1. 1.1.健康経営の主なメリット
  2. 2.健康経営の導入ステップ【これから始める企業向け】
    1. 2.1.【経営理念・方針】経営方針に基づく健康経営の推進方針・目標とKGIの設定
    2. 2.2.【組織体制】経営層のコミットメントと専門性を担保した組織体制の構築
    3. 2.3.【制度・施策実行】目標を達成するための具体的な推進計画策定・実行
    4. 2.4.【評価・改善】目標達成状況を踏まえた次のアクション・計画の検討
  3. 3.健康経営の次の一手【すでに取り組んでいる企業向け】
    1. 3.1.視点① 戦略化:単発の施策から、経営戦略と連動した取り組みへ
    2. 3.2.視点② KPIの設定とPDCAの実践:成果を可視化し、継続的に改善
    3. 3.3.視点③ 従業員参加型の仕組みづくり:ワークショップやアイデア募集など
  4. 4.KPIの設定と活用法|成果を「見える化」する仕組み
  5. 5.戦略マップの活用と注意点
  6. 6.健康経営を継続・発展させるための実践アクション
    1. 6.1.まず初めに、行っておきたい健康経営のアクション
  7. 7.まとめ:健康経営は“今”から始められる経営戦略

健康経営とは?企業にとっての意義とメリット

「健康経営」とは、従業員の健康管理を経営的な視点から捉え、戦略的に実践する取り組みのこと。単なる福利厚生ではなく、企業の競争力を高めるための重要な経営戦略と位置づけられています。

健康経営の主なメリット

  • 生産性の向上(プレゼンティーズムの改善)

  • 離職率の低下と人材の定着

  • 企業イメージの向上

  • 医療費の抑制

  • 従業員満足度・エンゲージメントの向上

健康経営の導入ステップ【これから始める企業向け】

健康経営を実践するには、単発の施策ではなく、経営戦略と連動した体系的な取り組みが必要です。ガイドブックでは、以下4つのステップ(下図①~④)に沿って進めることが推奨されています。

健康経営ガイドブック p.16より

【経営理念・方針】経営方針に基づく健康経営の推進方針・目標とKGIの設定

健康経営の出発点は、企業の経営理念や方針に「健康」の価値を明確に位置づけることです。

経営層が健康経営の意義を理解し、推進方針と目標を設定することで、組織全体の方向性が定まります。

■ポイント

  • 健康経営の目的と意義を明文化する

  • 経営戦略と整合性のあるKGI(重要目標達成指標)を設定する

  • 社内外へのメッセージとして発信し、従業員の共感を得る

■健康経営の目的やビジョンの明文化例

「従業員の健康を企業価値の源泉と捉え、健康経営を通じて持続可能な成長を実現する」

【組織体制】経営層のコミットメントと専門性を担保した組織体制の構築

健康経営を実効性のあるものにするには、経営層の積極的な関与と、専門性を備えた推進体制の整備が不可欠です。

■ポイント

  • 経営層がリーダーシップを発揮し、方針を社内に浸透させる

  • 専門職の知見を活かし、施策の質と安全性を担保する

■具体的な体制例

  • 健康経営推進委員会の設置

  • 人事・総務・産業医・保健師などの連携体制

  • 管理職への研修や説明会の実施

【制度・施策実行】目標を達成するための具体的な推進計画策定・実行

設定したKGIを達成するために、現状分析をもとにした具体的な施策を計画・実行します。

最初は小さな取り組みから始め、徐々に拡大していくのが効果的です。

■ポイント

  • 自社の健康課題に合った施策を選定

  • 従業員が参加しやすい工夫を取り入れる

  • 年間スケジュールに沿って計画的に実施

■施策の例

  • 健康診断やストレスチェックの活用

  • ウォーキングキャンペーンや禁煙支援

  • メンタルヘルス研修や相談窓口の設置

  • 健康情報の社内発信

【評価・改善】目標達成状況を踏まえた次のアクション・計画の検討

施策の実施後は、KPIなどを用いて効果を評価し、次のアクションにつなげることが重要です。PDCAサイクルを回すことで、健康経営を継続的に改善・発展させることができます。

■評価の視点

  • 健康診断受診率やストレスチェック結果の変化

  • プレゼンティーズムや離職率の推移

  • 従業員満足度やエンゲージメントの向上

■改善のアクション

  • 成果を社内で共有し、成功事例を横展開

  • 課題が残る施策は見直しや再設計を行う

  • 次年度の計画に反映し、取り組みを深化させる

健康経営の次の一手【すでに取り組んでいる企業向け】

健康経営を導入したものの、「形だけになってしまっている」「成果が見えにくい」と感じている企業も少なくありません。ガイドブックでは、そうした企業が次のステージへ進むための3つの視点を提示しています。

視点① 戦略化:単発の施策から、経営戦略と連動した取り組みへ

健康経営を一過性の施策で終わらせず、経営戦略と連動させることで、企業全体の価値創出につなげることが重要です。

「健康経営の推進にあたっては、経営戦略との整合性を意識し、健康投資の目的や効果を経営層と共有することが求められる」

(ガイドブックより引用)

■実践ポイント

  • 健康経営戦略マップを活用し、経営目標と健康施策の関係性を整理

  • 健康投資の目的を「企業価値の向上」や「人的資本の強化」と結びつける

  • 経営層が施策の意義を理解し、意思決定に反映させる

視点② KPIの設定とPDCAの実践:成果を可視化し、継続的に改善

健康経営の成果を「見える化」するには、KPI(重要業績評価指標)の設計と、PDCAサイクルの運用が欠かせません。ここでは、KPIを単なる数値目標としてではなく、「経営と現場をつなぐツール」として活用する視点が重要です。

「KPIは、健康経営の進捗と成果を定量的に把握し、改善につなげるための“羅針盤”である」

(ガイドブックより引用)

■KPI設計のポイント

  • 目的との整合性:KGI(最終目標)と連動したKPIを設定する

  • 現場の実行可能性:取得しやすく、現場で活用できる指標を選ぶ

  • 短期・中長期のバランス:すぐに変化が見える指標と、継続的に追う指標を組み合わせる

■KPIの運用例(目的別に分類)

目的

KPI例

活用の工夫

健康意識の醸成

健康イベント参加率、社内アンケート回答率

施策への関心度を測る指標として活用

組織風土の変化

管理職の健康面談実施率、部門別の施策実施数

組織単位での取り組み状況を可視化

改善サイクルの定着

KPI報告頻度、改善提案数

PDCAが機能しているかを測定

■PDCAサイクルの実践ポイント

  • Plan:KPI設計と年間計画の策定

  • Do:施策の実行とデータ収集

  • Check:KPIをもとに効果を分析

  • Act:改善策の立案と次年度への反映

「KPIは“評価のための数字”ではなく、“行動を変えるためのヒント”として活用することが重要」

(ガイドブックより引用)

視点③ 従業員参加型の仕組みづくり:ワークショップやアイデア募集など

健康経営を組織全体で推進するには、従業員が主体的に関われる仕組みが必要です。

「従業員の声を取り入れた施策設計や、参加型の取り組みを通じて、健康経営の浸透と定着を図ることが重要である

(ガイドブックより引用)

■取り組み例

  • 健康に関するワークショップや意見交換会の実施

  • 社内アイデアコンテストやアンケートによる施策提案

  • 健康アンバサダー制度の導入(従業員代表が健康施策を推進)

■効果

  • 従業員の当事者意識が高まり、施策の実効性が向上

  • 現場のニーズを反映した柔軟な施策設計が可能に

  • 組織全体のエンゲージメント向上につながる

KPIの設定と活用法|成果を「見える化」する仕組み

健康経営の効果を定量的に評価するには、KPI(重要業績評価指標)の設定が不可欠です。

また、KPIは、施策の効果測定だけでなく、経営層への報告や社内浸透にも役立ちます。

■KPIの設定例

カテゴリ

KPI例

測定方法

活用目的

健康状態

健診受診率、メタボ該当率

健診データ

健康課題の把握

働き方

残業時間、有給取得率

勤怠データ

ワークライフバランスの改善

エンゲージメント

満足度、離職率

アンケート、人事データ

組織の活力向上

生産性

プレゼンティーズム、アブセンティーズム

調査票、欠勤記録

経営効果の可視化

戦略マップの活用と注意点

戦略マップは、健康施策と経営目標を結びつけ、施策の優先順位や効果を「見える化」するフレームワークです。

■戦略マップの役割

  • 経営課題と健康課題の関係性を明確にする

  • 施策の目的や効果を共有する

  • KPIやアクションプランとの整合性を高める

  • PDCAサイクルの基盤となる

■作成時の注意点

  • 目的化しない:戦略マップはあくまで手段

  • 経営層と現場の視点をつなぐ

  • KPIやアクションとの連動を意識する

※戦略マップについて詳細を知りたい場合はこちらの記事もご覧ください

【完全解説】健康経営戦略マップとは?~作り方・KGI設定・活用法まで徹底ガイド【2025年最新版】~

健康経営を継続・発展させるための実践アクション

健康経営は「導入して終わり」ではありません。継続的な改善と発展が求められます。年間で計画をたててアクション(実践)を行うことで、企業風土が醸成され、健康経営が定着し効果につながります。

まず初めに、行っておきたい健康経営のアクション

アクション① 方針の見直しと社内浸透

  • 定期的な方針を見直し

  • 社内報やイントラネット等での継続的な発信

アクション② 年間計画とKPIの設計

  • 健康課題を分析し、重点テーマを設定

  • テーマに合わせ、KPIを設計し、目標値を明確化

  • 年間スケジュールの策定と、施策の計画的な実施

アクション③ 推進体制の整備

  • 健康経営推進委員会の設置

  • 人事・産業医・保健師との連携

  • 管理職向け研修の実施

アクション④ 従業員の声を反映

  • アンケートやヒアリングによる現場の声集めと施策への反映

まとめ:健康経営は“今”から始められる経営戦略

健康経営は、企業の未来を見据えた「経営戦略」の一部です。

まずは小さな一歩から始めて、徐々に取り組みを広げていくことが成功のカギとなります。

たとえば…

  • 健康診断やストレスチェックの結果を分析する

  • ウォーキングキャンペーンを試験的に導入する

  • 社内報で健康情報を発信する

こうした取り組みを通じて、健康経営の土台を築き、組織全体の意識を高めていきましょう。

MBK Wellness株式会社の、『健康経営支援サービス』では、健康経営を専門職コンサルタントが年間で企業の健康経営をサポートしています。

初めにじっくりヒアリングをさせて頂き、企業の特色・風土を理解したうえで健康経営の課題や強み・弱みを分析し、優先順位付けから施策の提案を行います。

調査票記入では客観的な視点からアドバイスすることで、偏差値アップ順位向上につながっており、導入企業のご担当者様からも厚い信頼をお寄せいただいております。

また、健康経営施策となる教育動画やセミナー、効果検証ができるストレスチェックなど、健康経営に資するサービスを展開しております。

導入事例や機能詳細をまとめた資料も無料でご提供しておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

監修:佐々木玲子
監修:佐々木玲子
【所属:MBK Wellness株式会社 保健同人フロンティア事業本部 健康経営事業部 企画・マーケティング室 (管理栄養士/公認心理師)】 地域や医療機関、研究所およびフリーランスの活動を経て、当社にて保健指導、EAP(従業員支援プログラム)、研修、各種コンサルティングの企画・実施に従事。現在は、これまでの経験を活かし、企業人事の視点に立った、従業員の健康支援や人的資本投資に資するサービスの企画・開発を担当。 メンタル・フィジカルの両面から、従業員一人ひとりの「Well-being」の実現を目指し、企業の健康経営に基づく持続的成長を支援している。

関連するコラム記事

健康経営の推進に悩んでいませんか?
私たちにお気軽にご相談ください

お電話でのお問い合わせはこちら
平日9:00~17:00
PC・スマホ
ご不明な点はお気軽に
お問い合わせください
お役立ち資料はこちらから
※コラムの更新やお得な情報をお届けします。

人気記事ランキング


ロゴ_保健同人フロンティア
「保健同人社」として、1946年に結核療養のための指導啓発雑誌「保健同⼈」を旗上げし、1969年には家庭医学書『家庭の医学』などを手掛けたMBK Wellness株式会社 保健同人フロンティア事業本部は法人向けサービスを提供しています。自ら「健康経営」を体現し、Well-beingな社会を目指して企業・団体様をサポートします。
ロゴ_プライバシーマーク
ロゴ_ISMS
ロゴ_EAP
ページトップへ戻る