新型コロナ感染症の拡大に伴い、従業員の労働環境は大きく変化しました。

企業には、定期的な健康診断やストレスチェックを通して、従業員の健康面をサポートする取り組みの実施が義務付けられています。

しかし、リモートワークが普及した昨今では、従来まで主流だった紙ベースでの健康管理は事務作業の負担が大きいため、見直しを検討している企業も多いのではないでしょうか。

従業員の健康管理を効率化したい場合は、健康管理システムの導入がおすすめです。

この記事では、健康管理システムの代表的な機能や、自社に合う健康管理システムを選ぶときのポイントを詳しく紹介します。

健康管理システムの代表的な機能

健康管理システムとは、従業員の健康データをオンライン上で一元管理するシステムです。

従業員の健康データを一元的に管理することで、担当者の作業工数削減や、疾病の早期発見・予防に貢献できるため、健康経営の実現を目指すことができます。

ここでは、健康管理システムの代表的な機能を一つずつ紹介します。

①健康診断結果の管理

健康管理システムには、健康診断の結果を管理する機能があります。

健康診断の結果をデータベース化してまとめて管理できるため、蓄積されたデータから結果の推移を分析し、健康リスクの高い対象者をピックアップすることが可能です。

また、紙やCSVファイルなどで管理していた過去の健康データをまとめられるサービスもあるため、スムーズにシステムへ移行できます。

②労働基準監督署への報告書作成

健康管理システムの使用により、労働基準監督署へ提出する煩雑な書類作成の手間がなくなります。

従来までは報告書を作成する際、データ抽出や集計結果などは手入力するのが一般的でした。煩雑な書類作成は、担当者の大きな負担となります。

しかし、健康管理システムを使うことで入力した健康データの自動出力が可能となり、担当者の事務負担の軽減や、作業の効率化に期待できます。

③個人情報管理

健康データには、従業員の重要な個人情報が含まれています。

主な個人情報には名前・住所・職種・保健情報などがありますが、これらを自社サーバーや紙ベースで管理すると漏洩のリスクがあります。

しかし、健康管理システムを使えば、匿名や診断内容の一部制限、マスキングなど、さまざまな機能を使い個人情報を適切に管理できます。

④ストレスチェック

健康管理システムには、従業員にストレスチェックを実施できる機能があります。

50人以上の従業員を雇用する事業所は、年に1回ストレスチェックを行わなければいけません。しかし、近年はリモートワークの増加により、従業員のストレスの把握が難しい状況です。

健康管理システムのストレスチェックはオンライン上で行われ、高ストレスに該当する従業員がどれくらいいるか、ストレスを抱えている部署がどこであるか等を確認できます。

⑤産業医・保健師との面談

ストレスチェックの結果を踏まえ、産業医面談が必要な従業員を自動的に選定できます。面談結果もデータとして蓄積できるため、高ストレス者の早期発見や対応に役立ちます。

また、情報共有もシステム内でスムーズに行うことができるため、健康状態をいち早く把握、密な連携でフォローできるメリットもあります。

自社に合う健康管理システムを選ぶときのポイント

健康管理システムには豊富な機能があります。そのため、自社に合う健康管理システムを導入するためには、ニーズを考慮して選ばなければいけません。

ここでは、自社に合う健康管理システムを選ぶときのポイントを解説します。

①自社の課題を解決する機能が備わっているか

健康管理システムには、さまざまな価格・導入形態・機能があります。

例えば、導入形態にはクラウドとパッケージの2種類があり、情報連携やセキュリティ機能など、各社で備わっている機能や価格はさまざまです。

導入を検討する際は目標や課題を明確にしたうえで、自社ニーズに合ったシステムを選ぶことが重要となります。

②コストバランスは最適か

いくら高機能なシステムが豊富に備わっていても、使わなければ意味がありません。一方で、低価格なシステムを導入した場合、満足度が低い結果になる可能性もあります。

自社のニーズに合った機能がある健康管理システムを導入するためには、最適なコストバランスを見極めることが重要です。

③使い勝手は良いか

企業・従業員の双方が使いにくい健康管理システムでは、システム自体が定着しない可能性があります。スマホでも使える手軽さや、分かりやすいUIのシステムを選ぶことが望ましいです。

④セキュリティ対策は万全か

健康管理システムでは、名前や住所といった従業員の重要な個人情報を取り扱うため、セキュリティ対策が極めて重要です。

不正アクセスや情報漏洩のリスクを軽減できるような万全なセキュリティ対策が備わっているかを確認してください。

⑤他システムとの連携は可能か

健康管理システムには、人事や労務、採用システムなどと連携できるものがあります。

自社内で既にシステムを導入している場合は、連携できる健康管理システムを選ぶことで業務効率化の向上が期待できます。

まとめ

この記事では、健康管理システムの機能について以下の内容で解説しました。

• 健康管理システムの代表的な機能
• 自社に合う健康管理システムを選ぶときのポイント

健康管理システムには、健康診断結果の管理、労働基準監督署への報告書作成、ストレスチェックの実施など、さまざまな機能があります。

自社に合った健康管理システムを導入するためには、課題を解決する機能が備わっているか、コストバランスは最適か、使い勝手は良いかなどを比較することが重要です。

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