EAP(従業員支援プログラム)の相談室とは?社外に設置するメリットと留意点
EAP(従業員支援プログラム)は、365日24時間対応できる相談室の開設や、専門家によるカウンセリングなどを通じて、メンタルヘルス不調の従業員をケアする取り組みを指します。
外部EAPを利用して社外に相談室を開設する場合、組織と従業員にどのようなメリットがあるのか気になる担当者様も多いのではないでしょうか。
この記事では、EAP(従業員支援プログラム)で相談室を設置するメリットや留意点などを詳しく解説します。
目次[非表示]
- 1.EAP(従業員支援プログラム)の相談室とは
- 2.EAP(従業員支援プログラム)で社外相談室を設置するメリット
- 2.1.365日24時間対応できる
- 2.2.医療・健康の専門家に依頼できる
- 2.3.外部機関のため従業員が相談しやすい
- 2.4.重篤な対象者と専門医へ紹介できる
- 3.EAP(従業員支援プログラム)で社外相談室を設置する際の留意点
- 3.1.業態によるサービス内容の違い
- 3.2.個人情報保護の体制
- 3.3.予算内に収まるか
- 4.まとめ
EAP(従業員支援プログラム)の相談室とは
EAP(Employee Assistance Program)とは、日本語で従業員支援プログラムを意味する用語で、従業員のメンタルヘルス対策を中心とした様々なサービスを指します。
EAPの代表的なサービスとしてあげられるのが、メンタルヘルスケアの専門家が従業員の様々な悩みに対してアドバイスをする相談室の開設です。
具体的には、従業員のメンタルヘルスやストレス、労働条件、職場環境、人間関係などの多岐にわたる悩みを専門家が親身になって聞き、適切な対処法をアドバイスします。
EAPには、内部EAPと外部EAPの2種類があります。
内部EAPの場合、社内に専門の資格を持った相談員を常駐させる必要がありますが、外部EAPなら社外に相談室を設置して、外部リソースを活用してメンタルヘルスケアを行えます。
EAP(従業員支援プログラム)で社外相談室を設置するメリット
ここでは、EAPで社外相談室を設置するメリットについて詳しく解説します。
365日24時間対応できる
外部EAPは、365日24時間対応しているサービスが多く、従業員が時間を気にせず、いつでも悩みを相談できる安心感があります。
普段の仕事や家庭の事情で日中に相談ができない従業員でも、気軽に利用できるため、メンタルヘルスに関する悩みを抱え続けるリスクを低減できます。
また、内部EAPと比較して、スタッフが常駐する必要がないため、、社内のリソースを費やさずに済みます。
医療・健康の専門家に依頼できる
EAPの相談室では、医師や看護師、臨床心理士、保健師などの専門家が相談に対応します。
専門的な知見をもとに、的確なフォローやアドバイスを受けられるため、従業員のストレスの原因となる悩みの解決や、メンタルヘルス不調者に対する正しい早期対応が可能です。
特に、社内にメンタルヘルスに精通した専門家がいない場合、大きな導入効果が望めます。
外部機関のため従業員が相談しやすい
外部機関が相談窓口になるため、従業員が社内の人間関係や評価などを気にせず相談しやすい環境をつくれます。
例えば、上司からパワハラ行為を受けている、残業を断れず長時間労働で体調を崩しているなど、社内で相談しにくい内容も外部の相談室なら打ち明けやすくなります。
また、相談場所が外部にあることで、ハラスメント被害の悩みや職場での待遇に対する悩みなど、内部の人に知られたくない内容の情報漏洩のリスクを抑えられます。
重篤な対象者と専門医へ紹介できる
相談室での対応により、従業員が重篤な症状であることが判明する場合もあります。
そのようなケースにおいて、専門医によるセカンドオピニオンをスムーズに受けられるEAPサービスもあります。
専門医・専門病院と連携したEAPの相談室であれば、離職・休職につながるまえに、早急に従業員をケアすることが可能です。
EAP(従業員支援プログラム)で社外相談室を設置する際の留意点
ここでは、EAPで社外相談室を設置する際の留意点について詳しく解説します。
業態によるサービス内容の違い
EAPサービスは、大きく分けて従来型、産業医型、医療機関型という3種類の業態があります。
従来型EAPは、保険会社やシステム会社、健康保険組合を大元としており、システムに強い組織です。
最近では、企業人事向けにメンタルヘルス対策支援サービスを提供している一般企業も含まれており、全国各地に相談を提供できるEAPも少なくありません。
従来型EAPはカウンセリングの対応以外にも、研修やストレスチェック、派遣などの幅広いメンタルヘルス対策支援サービスを展開しています。
産業医型EAPは、産業医派遣を中心とした業務を行い、他の医療スタッフと比較すると、相談から治療まで対応が可能です。柔軟に対応してもらえる産業医であれば、依頼する会社はメリットを得られます。
医療機関型EAPは、精神科/心療内科系の医療機関を大元としたEAPです。通常の医療機関に併設されていることが多く、メンタルヘルスに強いのが特徴です。
従来型EAPよりも小規模の事業所が多いですが、常勤のスタッフがいるため深くサービスを受けられます。
それぞれ在籍する専門家が異なるため、組織と個人の課題に応じて依頼先を決める必要があります。
個人情報保護の体制
EAPの導入において、個人情報の保護にどのように取り組んでいるか確認しておくことは非常に重要です。
万が一従業員の個人情報が流出してしまうと、プライバシー侵害にあたり、会社の信用も落ちてしまいます。
個人情報を適切に扱っている機関では、プライバシーマークを取得しており、セキュリティへの取り組み体制もしっかり整っています。
コンプライアンスを遵守した相談窓口を設置しており、なおかつプライバシーマークや各種セキュリティ認証を取得しているサービスの選定が望ましいです。
予算内に収まるか
EAPを導入するにあたり、自社の予算に応じた適正なコストで利用できるかの確認が重要です。
内部EAPの場合は、社内にいる専門職を相談員として活用できますが、利用頻度に関わらず人件費が発生します。
外部EAPの場合、人的コストを抑えられますが、利用頻度に応じた外注コストが発生します。長期的な運用を視野に入れて、予算内に収まるかどうかを判断する必要があります。
まとめ
この記事では、EAP(従業員支援プログラム)の相談室について以下の内容で解説しました。
- EAPの相談室について
- 社外相談室を設置するメリット
- 社外相談室を設置する際の留意点
EAPで設置する相談室とは、従業員がメンタルヘルスやストレスなどの悩みを専門家に相談できる窓口のことをいいます。
EAPの社外相談室を設置することによって、365日24時間相談対応ができ、外部機関であるため、従業員にとって相談がしやすい環境づくりが可能です。
医師や臨床心理士などの専門家にも相談の依頼ができ、的確なアドバイスを受けられます。また、重篤な症状であった場合は、そのまま治療までスムーズに案内してもらえるサービスもあります。
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