EAP(従業員支援プログラム)のカウンセリングとは?相談内容と実施の流れ
会社で働く従業員は、長時間労働や組織内の人間関係などが原因でメンタルヘルス不調を起こし、仕事のパフォーマンスに影響を及ぼす可能性があります。
メンタルヘルス不調を抱えたまま誰にも相談できない状況が続いた場合、離職や休職につながるケースもあります。
EAP(従業員支援プログラム)の1つとして、専門のカウンセラーによるメンタルヘルス不調者のカウンセリングがあり、悩みやストレスの解消をサポートします。カウンセリングではメンタルヘルス不調予防から職場復帰まで幅広く対応するケースが多いです。
この記事では、EAP(従業員支援プログラム)で実施するカウンセリングの概要から流れまで詳しく解説します。
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目次[非表示]
- 1.EAP(従業員支援プログラム)のカウンセリングとは
- 1.1.EAPの目的と特徴
- 1.2.EAPカウンセリングの重要性
- 2.EAP(従業員支援プログラム)の主なサービス内容
- 3.EAP(従業員支援プログラム)のカウンセリングの種類
- 4.EAPカウンセリングを実施する利点
- 4.1.従業員のメンタルヘルス改善
- 4.2.職場環境の向上
- 5.EAP(従業員支援プログラム)でカウンセリングを実施する流れ
- 5.1.①初回セッション(数回)
- 5.2.②カウンセラーによる面談
- 5.3.③対象者へのアンケート実施
- 5.4.④課題に応じた人事施策などの検討
- 6.EAPカウンセリングの導入と運用のポイント
- 6.1.適切なEAP事業者の選択
- 6.2.従業員への周知と利用促進
- 6.3.プライバシーの保護と信頼性の確保
- 7.高品質なEAPカウンセリングを行うなら『現場型EAPカウンセリング』
- 8.まとめ
EAP(従業員支援プログラム)のカウンセリングとは
EAP(従業員支援プログラム)のカウンセリングは、従業員のメンタルヘルスケアや職場環境の改善を目的とした支援サービスです。
専門家による相談窓口を通じて、従業員の悩みや問題解決をサポートします。ここでは、EAP(従業員支援プログラム)のカウンセリングについて詳しく解説します。
EAPの目的と特徴
EAPの主な目的は、メンタルヘルスを中心とした従業員の抱える悩みを解決することを通じて、従業員と職場の生産性を向上させることであり、社外の専門家による支援を受けられることが大きな特徴となっています。
従業員にとってはプライバシーが守られる安心感があるため気軽に相談でき、メンタルヘルス不調の予防や早期発見、職場環境の改善にも効果が期待できます。
会社にとっては、従業員の健康管理やリスク軽減にもつながる重要な取り組みです。
EAPカウンセリングの重要性
EAPカウンセリングは、従業員のメンタルヘルス不調を早期に発見し、適切な対応を行うために重要です。
職場のストレスや人間関係の問題、個人的な悩みなどのさまざまな課題に対応することができます。また、カウンセリングを通じて得られた情報は、職場環境の改善や組織の課題解決にも活用できます。
EAPカウンセリングは、従業員の満足度向上や生産性の向上につながり、会社の発展に欠かせない施策です。
EAP(従業員支援プログラム)の主なサービス内容
外部EAPのサービスを受けることにより、従業員が相談しやすい環境づくりができ、ストレスへの対処方法の知識を学ぶことができます。
管理監督者としても、管理監督者向けのEAPコンサルティングを受けて、メンタルヘルスケアにおける現状の課題を相談できるため、より良い職場環境を構築していけます。
EAPの主なサービス内容は、以下のとおりです。
サービス内容 |
得られる効果 |
外部相談窓口の設置 |
社内の人間に相談しにくい内容でも、気軽に相談できる |
個人向けカウンセリング |
従業員一人ひとりの悩みと向き合うことで、より適切な対応を行える |
ストレスチェック |
従業員へストレスチェックを行い、従業員のストレスおよび組織のストレス状態を可視化・分析できる。 |
人事、管理監督者向け |
人事・労務担当者、管理監督者が、メンタルヘルスやストレスに対する理解を深め、現場で従業員をケアできるようになる |
職場のクライシスケアなど |
職場の事故や自死などの不測の事態が起きた際に、専門的なスキルで影響を最小限にとどめられる。 |
各種研修の提供など |
従業員のセルフケアや職場内のコミュニケーションなどの研修を行い、従業員自身でのストレスケアや職場環境の改善を図ることができる。 |
外部EAPなら、従業員から管理監督者まで、メンタルヘルスに関係する多様なサポートを受けられます。
具体的には、外部相談窓口の設置・個人向けのカウンセリング・ストレスチェックの実施などの物理的な支援、管理監督者向けのコンサルや各種研修の提供などの長期的に役立つ支援があります。
メンタルヘルス不調による休職者の増加、離職、ハラスメントなどの自社が抱える問題に対し、適切なサービスを受けられるEAPを導入することが重要です。
EAP(従業員支援プログラム)のカウンセリングの種類
EAPのカウンセリングには、対面で行う面談はもちろん、オンラインで行う相談など状況に応じて、様々な手段でカウンセリングを受けられます。
EAPのカウンセリングの種類は、以下のとおりです。
カウンセリングの種類 |
概要 |
オンラインカウンセリング |
Webツール・ビデオチャットなどを用いて、オンライン上で対面でのカウンセリングを行う。 |
出張カウンセリング |
遠方の場合、カウンセラーが出張し、対面でのカウンセリングを行う。 |
対面カウンセリング (予約あり) |
事前にメールや電話で予約をとり、対面でカウンセリングを行う。 |
電話カウンセリング (予約あり) |
事前にメールや電話で予約をとり、電話でカウンセリングを行う。 |
上記の手段以外にも、電話で15〜30分程度相談できる即時相談や、メールで相談内容を送ってカウンセリングを進めるメール相談があります。
仕事やプライベートの問題で、時間と場所を限定される方でも気軽にカウンセリングを受けられ、悩みや問題の解決に取り組むことが可能です。
EAPカウンセリングを実施する利点
EAPカウンセリングは会社と従業員の双方にメリットをもたらし、メンタルヘルスの改善や職場環境の向上など、さまざまな効果が期待できます。
ここでは、EAPカウンセリングを実施する利点について詳しく解説します。
従業員のメンタルヘルス改善
EAPカウンセリングは、従業員のストレスや悩みの解消を支援し、メンタルヘルスの改善に貢献します。
専門家による個別相談を通じて、問題の早期発見と適切な対応が可能になります。また、カウンセリングを受けることで自己理解が深まり、ストレス対処法を学習することも可能です。
深刻な問題への発展を防ぎ、心身の健康を維持できるため、従業員の離職率の低下にもつながります。
職場環境の向上
EAPカウンセリングを通じて、職場の問題点や改善点を把握し、より良い職場環境づくりにつなげることができます。
従業員の声を集約することで組織全体の課題が可視化でき、集まった情報をもとに人事施策の改善や職場環境の整備を行うことが可能です。
また、ハラスメント防止や働き方改革の推進にも効果があります。従業員の満足度向上や組織の活性化につながり、会社の競争力強化にも貢献します。
EAP(従業員支援プログラム)でカウンセリングを実施する流れ
ここでは、EAPでカウンセリングを実施する流れについて詳しく解説します。
①初回セッション(数回)
相談窓口にてカウンセリングの対象者から連絡を受け、初回セッションを行います。カウンセリングの対象者は、一般社員や管理監督者、人事担当者、組織自体など様々です。
例えば、一般社員からは心身の不調や職場の人間関係の悩み、 ハラスメント、経済的な不安、家庭環境の問題など個人的な悩みの相談があります。
管理監督者からは、離職率やメンタルヘルス不調者への対応などの管理監督者としての相談があります。
カウンセラーは、初回セッション時にカウンセリング対象者の健康状態や緊急性の確認を行い、相談内容を聞いたうえで相談者の目標やテーマを設定していきます。
②カウンセラーによる面談
初回セッションの結果に応じて、臨床心理士・公認心理師・産業カウンセラーなど、適切な専門知識を持つカウンセラーによってカウンセリングが行われます。
▼主な相談内容
- 上司、同僚、部下との人間関係
- 仕事に対するストレス、悩み、プレッシャー
- 職場環境への不満
- パワハラ、セクハラ、モラハラ
- 休職、復帰支援
- ワークライフバランス
- 育児相談、夫婦カウンセリング
- 健康状態
- キャリア目標 など
これらの相談内容を踏まえて、カウンセリング対象者の課題整理の援助や、相談者に寄り添った情緒的サポートを行い、問題解決に向けたカウンセリングを実施します。
③対象者へのアンケート実施
対象者にカウンセリングに対する感想や、次回のカウンセリングへの要望などに関するアンケートに答えてもらいます。
問題解決に至らなかった場合、アンケート結果をもとに次回カウンセリングの方向性やテーマについて検討を重ね、解決に導きます。
④課題に応じた人事施策などの検討
個人が特定されない形で、相談件数や相談内容等を集計して、定期的に課題の特定や人事施策の検討を行います。
カウンセリングの実施によって、従業員の課題の共通点を洗い出すことが可能です。
例えば、相談内容の集計から仕事への不安に対する課題が多く見られた場合、教育方法やフォロー体制を見直す必要があります。
あげられた課題に対し、分析と対策を重ねることによって、従業員のストレス負担の軽減や離職率の低下につなげられます。
EAPには、臨床心理士や保健師などの専門家、人事・管理監督者向けコンサルテーションや研修の提供などのサービスもあるため、上手く活用しながら心身ともに健康に働ける職場環境をつくっていくことが大切です。
EAPカウンセリングの導入と運用のポイント
EAPカウンセリングを効果的に運用するためには、適切な事業者の選択や従業員への周知、プライバシーの保護など、いくつかの重要なポイントがあります。
ここでは、EAPカウンセリングの導入と運用のポイントについて詳しく解説します。
適切なEAP事業者の選択
EAPの導入においては、会社のニーズに合ったEAP事業者を選択することが重要です。サービス内容、専門性、実績などを総合的に評価し、最適な事業者を選びましょう。
具体的には、カウンセラーの資格や経験、対応可能な相談内容の範囲、利用可能な時間帯などをチェックします。
また、会社の規模や業種に合わせたカスタマイズが可能かどうかも確認しておきます。信頼性の高い事業者を選ぶことで、質の高いサービスを従業員に提供することが可能です。
従業員への周知と利用促進
EAPの導入後は、EAPカウンセリングの存在と利用方法を従業員に広く周知し、利用を促進することが重要です。
社内ネットワークや社内報、ポスターなどを活用して、定期的に案内を行いましょう。
また、新入社員研修や管理職研修などの機会を利用して、EAPの意義や利用方法について説明することも効果的です。
さらに、利用者の体験談を匿名で紹介し、サービスの有用性を具体的に伝えることで、利用する際のハードルを下げることができます。
プライバシーの保護と信頼性の確保
EAPカウンセリングでは、相談内容の秘密保持が非常に重要です。プライバシーを厳重に保護し、従業員が安心して利用できる環境を整えましょう。
具体的には、相談内容が会社に漏れることがないよう、EAP事業者との契約内容を明確にします。また、相談室の設置場所や予約方法などもプライバシーに配慮したものを選択しましょう。
信頼性の高いサービスを提供することで、従業員の利用率向上と効果的な支援につながります。
高品質なEAPカウンセリングを行うなら『現場型EAPカウンセリング』
保健同人フロンティアが提供する『現場型EAPカウンセリング』は、高品質なEAPカウンセリングを実現するサービスです。
▼現場型EAPカウンセリングの特徴
- カウンセラーが相談者の近くの場所まで出向く出張面談で全国どこでも対面カウンセリングが利用可能
- 豊富な企業経験とカウンセリング実績を有する専属カウンセラーが対応
- 完全担当制で相談者との信頼関係を構築し効果的なサポートを提供
EAPカウンセリングを活用して社内の従業員のメンタルヘルス改善を図りたいという方は、ぜひお気軽にご相談ください。
この方式では、専門のカウンセラーが直接職場に出向き、従業員の生の声を聞きながらカウンセリングを行います。
従業員にとっては、普段の環境で相談できるため、より本音を話しやすくなります。
また、カウンセラーも職場の雰囲気や人間関係を直接観察できるため、より的確なアドバイスが可能になります。
まとめ
この記事では、EAPカウンセリングについて以下の内容で解説しました。
- EAPカウンセリングとは
- EAPでカウンセリングを実施する流れ
- EAPカウンセリングの導入と運用のポイント
EAP(従業員支援プログラム)のカウンセリングは、従業員のメンタルヘルスケアと職場環境の改善を目的とした重要な支援サービスです。
初回セッションからカウンセラーによる面談、アンケート実施、分析・対策という流れで実施されます。
効果的な運用のためには、適切なEAP事業者の選択、従業員への周知と利用促進、プライバシーの保護が重要です。
保健同人フロンティアが提供する『現場型EAPカウンセリング』は、専門のカウンセラーが直接職場に出向き、従業員の生の声を聞きながらカウンセリングを行うサービスです。
日本全国に出張するため、従業員の満足度向上と職場環境の改善に大きく貢献します。
現場型EAPカウンセリングによる、メンタルヘルス対策におけるメリットや多岐にわたるサービス内容について、より詳しく解説した資料を無料公開していますので、ぜひこの機会にご覧ください。