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健康経営で必須!ストレスチェック実施の課題とは?解決策と効果的な活用方法

近年、労働環境の改善や労働者の健康維持が企業経営の重要な要素とされており、特に注目されているのが「メンタルヘルス」の問題です。健康経営でもストレスチェックは重要な施策の1つです。本記事では、健康経営におけるメンタルヘルス対策の1つである、ストレスチェック制度やストレスチェック実施の際のよくある課題と解決策、その後の活用についてご紹介していきます。

目次[非表示]

  1. 1.ストレスチェック制度の概要
  2. 2.ストレスチェック制度の目的
  3. 3.ストレスチェック制度の効果的な活用方法
    1. 3.1.①ストレスチェックのタイミングで相談窓口を案内する
    2. 3.2.②ストレスチェック結果に合わせたセルフケアの紹介
    3. 3.3.③各職場の集団分析と管理職へのフィードバック
  4. 4.ストレスチェック制度の問題点と改善策
    1. 4.1.①ストレスチェックの受検率が上がらない
    2. 4.2.②個別のフォローが行き届きにくい
    3. 4.3.③ストレスチェックの数値だけでは職場の様子がわからない
  5. 5.ストレスチェック制度以外のメンタルヘルス対策
  6. 6.まとめ

ストレスチェック制度の概要

50人以上の事業場を持つ企業について、年に1回以上、労働者に対してストレス状況に関する検査を実施し、その結果に基づいて本人や組織に対して必要な対応を行うことを義務づけた制度です。

2015年12月に施行されており、具体的には、ストレスチェックの結果、高いレベルのストレスを感じている従業員に対して医師による面談機会を提供したり、ストレスチェック結果を組織ごとに集団分析を行い、その結果をもとに具体的な職場改善の施策を検討と実行をしていきます。

具体的な制度の概要や進め方については、厚生労働省が「労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度実施マニュアル」を公表しているので、参考にしてください。

ストレスチェック制度の目的

ストレスチェック制度の最大の目的は、労働者本人にその結果を通知して自らのストレスの状況について気づきを促し、個人のメンタルヘルス不調のリスクを低減させるとともに、検査結果を集団的に分析し、職場環境の改善につなげることによって、労働者がメンタルヘルス不調になることを未然に防止する、一次予防が主な目的です。


ストレスチェック制度の効果的な活用方法

50人以上に義務付けられているストレスチェックは、やりっぱなしにするだけではなく、その後の対応や職場環境改善に活用することが大切です。ストレスチェックを活用したメンタルヘルス不調防止の施策をご紹介します。

①ストレスチェックのタイミングで相談窓口を案内する

ストレスチェックでは、自分のストレス状態が数値として見えるようになるため、自身の状態に気づきやすいタイミングです。そこで、高ストレス者への医師面接の案内以外に、社内や社外の相談窓口を案内することで、不調になる前に専門家への相談を促すことで、高ストレス者ではない方でもそれ以上不調にならないために専門家へつなぐことが可能です。

②ストレスチェック結果に合わせたセルフケアの紹介

同じメンタルヘルス不調でも、人によってストレス反応やストレスの原因となるものは異なります。そこで、ストレスチェック結果に合った本人が取り組めるセルフケアの紹介を行うことで、その人の状態にあったケアを実施してもらうことができます。また、ストレス状態に合わせた研修を受けてもらう等をすることで、自分でケアを実践してもらいやすくなります。

③各職場の集団分析と管理職へのフィードバック

ストレスチェックの結果を個々の労働者だけでなく、組織全体としてもフィードバックと捉え、職場環境の改善に役立てることが大切です。管理職が自職場のストレス状態を知ることで、部下の不調に気づきやすくなったり、管理職が中心となって職場環境改善に取り組むことができるようになります。


ストレスチェック制度の問題点と改善策

一方で、ストレスチェックを通じて労働者のストレス状況が把握できるとはいえ、問題点も指摘されています。

①ストレスチェックの受検率が上がらない

「会社や上司に知られるのではないか」「評価に響くのではないか」という不安や、「回答しても具体的に対応してもらえないだろう」という諦め、受検方法がわからなくなってしまって面倒になってしまった、等様々な理由があります。受検の際には、「会社に知られないこと」を繰り返しわかりやすく発信することと、使いやすくてわかりやすい検査方法などを用意することが重要です。

②個別のフォローが行き届きにくい

産業医や実施事務従事者以外は、ストレスチェック結果がわからないので、本人が手を上げない限りフォローをすることが難しかったり、各個人の状況に合わせた丁寧なフォローができないことが課題となっています。ストレスチェックの案内とともに、匿名で使える個別相談ができる窓口を紹介する等を行うことで、個別フォローの導線を作ることが大切です。

③ストレスチェックの数値だけでは職場の様子がわからない

集団分析を行う際に、実際の現場でどのような問題が起こっているのか数値だけではわからず対処ができないという声が多くあります。集団分析の結果、ストレス状態が悪かった職場については、人事担当者や保健師等が直接、職場の従業員と面談を行うことで、数値による結果と現場の状況を紐づけて、最適な職場環境改善を行うことができます。


ストレスチェック制度以外のメンタルヘルス対策

さらに、ストレスチェック制度以外にも、労働者のメンタルヘルスを考慮した対策が多く存在します。例えば、新入社員向けや階層別のメンタルヘルス研修を設けることで、ストレスとの上手な付き合い方や対策を学ぶことができます。また、就労中のメンタルヘルスを保つためのサポートとして、カウンセリング体制の充実やリフレッシュ休暇の取得推進なども効果的です。さらには、職場全体の雰囲気作りや、上司や同僚とのコミュニケーションを通じて心のケアを行うことも重要となります。

まとめ

企業におけるストレスチェック制度は必要不可欠なものであり、労働者のメンタルヘルスの保護と向上に大いに寄与します。ただ、その運用方法や判断には慎重さが求められます。そして、企業のメンタルヘルス対策はこの制度だけに頼るべきではないことを理解し、より幅広い視点からの対策を考えるべきです。最終的には、労働者の健康を最優先に考え、それを支える組織運営を心掛けることが最も重要と言えるでしょう。

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監修者:保健同人フロンティア 黒坂泉
監修者:保健同人フロンティア 黒坂泉
企画マーケティング室 企画マネージャー 臨床心理士/健康経営エキスパートアドバイザー 大学院修了後、EAP企業にて、心理学の知見に基づいた企様々な業向けのメンタルヘルスケアサービスの企画・開発。従業員向けのゲーム研修開発や睡眠改善プログラムアプリサービスの企画開発を行う。現在は、企業人事向けの健康経営支援サービス開発の他、新規事業企画、マーケティング戦略企画・実行を担当する。また、大学との共同研究にも参加し、第30回日本産業ストレス学会(2022年)にて、当社が独自に開発した「職業性レジリエンス向上研修」の効果検証について発表を行った。

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