健康経営度調査票とは?重要な評価項目と回答から認定までの流れ
健康経営度調査は、経済産業省が企業の健康経営を支援する目的で設けられた制度であり、優良な健康経営を行なっている企業が毎年公開されています。
自社の健康経営の取り組みを客観的かつ専門的に評価してもらうために必要になるのが、健康経営度調査票への回答です。
この記事では、健康経営度調査票の概要や重要な評価項目、回答から認定までの流れを詳しく紹介します。
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目次[非表示]
- 1.健康経営度調査(調査票)とは
- 2.健康経営度調査票で重要な5つの評価項目
- 2.1.①経営理念・方針(経営基礎)
- 2.2.②組織体制(経営基礎)
- 2.3.③制度・施策(施策運用)
- 2.4.④評価・改善
- 2.5.⑤法令遵守・リスクマネジメント
- 3.健康経営度調査票に回答するメリット
- 4.健康経営度調査票の取得から回答までの流れ
- 4.1.①健康経営度調査票の取得
- 4.2.②健康経営度調査票の回答
- 4.3.③後日フィードバックが届く
- 5.まとめ
健康経営度調査(調査票)とは
健康経営度調査とは、健康経営の取り組み状況や経年での変化を分析し、健康経営銘柄の選定や健康経営優良法人の認定に向けた基礎情報を得るための調査です。
健康経営優良法人認定には、中小規模法人部門と大規模法人部門があります。
健康経営優良法人に認定された企業は、外部へ大きくアピールできます。そのため、企業のブランディングや知名度向上、優秀な人材確保などの多くのプラス要素を得られるのがメリットです。
健康経営度調査票で重要な5つの評価項目
健康経営度調査票には、専門家が判定するためのさまざまな評価項目が設けられており、大きく分けると5つの評価項目があります。ここでは、それぞれの概要をわかりやすく解説します。
①経営理念・方針(経営基礎)
経営理念・方針のテーマでは、健康経営の取り組みが従業員に浸透しているか、健康経営の目的と体制が対内外的に発信されているかなどを判定します。
過去の健康経営度調査では、以下のような評価項目が設けられていました。
- 健康宣言の社内外への発信
- 従業員パフォーマンス指標及び測定方法の開示
- トップランナーとして健康経営の普及
出典:経済産業省『令和5年度 健康経営度調査』
②組織体制(経営基礎)
組織体制のテーマでは、健康増進に向けた組織体制づくりや、健康増進に向けた施策の立案・企画レベル・人員体制などを評価します。
過去の健康経営度調査では、以下のような評価項目が設けられていました。
- 経営層の体制:健康づくり責任者の役職
- 実施体制:産業医・保健師の関与
- 保険者との連携:健保組合等保険者との協議・連携
出典:経済産業省『令和5年度 健康経営度調査』
③制度・施策(施策運用)
5つのテーマのなかで、最も設問が多いのが制度・施策です。
制度・施策のテーマでは、健康増進に向けた施策の質・量のバランス、健診結果に基づく健康経営の施策立案、健康保持・増進に向けた教育、食生活や運動習慣の改善と定着に向けた支援などを判定します。
過去の健康経営度調査では、以下のような評価項目が設けられていました。
- 健康経営の具体的な推進計画
- 従業員の健康診断の実施(受診率100%)
- 受診勧奨の取り組み
- 50人未満の事業場におけるストレ スチェックの実施
- 管理職・従業員への教育 ※「従業員の健康保持・増進やメンタルヘルスに関する教育」については参加率(実施率)を測っていること
- 適切な働き方実現及び育児・介護の両立支援の取り組み
- コミュニケーションの促進に向けた取り組み
- 私病等に関する復職・両立支援の取り組み
- 保健指導の実施及び特定保健指導実施機会の提供に関する取り組み ※「生活習慣病予備群者への特定保健指導以外の保健指導」については参加率(実施率)を測っていること
- 食生活の改善に向けた取り組み
- 運動機会の増進に向けた取り組み
- 女性の健康保持・増進に向けた 取り組み
- 長時間労働者への対応に関する取り組み
- メンタルヘルス不調者への対応に関する取り組み
- 感染予防に関する取り組み
- 喫煙率低下に向けた取り組み
- 受動喫煙対策に関する取り組み
出典:経済産業省『令和5年度 健康経営度調査』
④評価・改善
評価・改善のテーマでは、健康経営における施策全体の評価・改善ができているかを判定します。
例えば、施策のPDCAサイクル構築、効果検証の方法、検証結果に基づく施策の改善などが評価項目となります。
過去の健康経営度調査では、以下のような評価項目が設けられていました。
- 健康経営の実施についての効果検証
出典:経済産業省『令和5年度 健康経営度調査』
⑤法令遵守・リスクマネジメント
法令遵守・リスクマネジメントのテーマでは、定期健康診断とストレスチェックを実施しているか(従業員数が50名以上の法人)、労働基準法に準拠しているかなどを判定します。
過去の健康経営度調査では、以下のような評価項目が設けられていました。
- 定期健診を実施していること、50人以上の事業場においてストレスチェックを実施していること、労働基準法または労働安全衛生法に係る違反により送検されていないこと、等。 ※Q4SQ1誓約事項参照
出典:経済産業省『令和5年度 健康経営度調査』
健康経営度調査票に回答するメリット
健康経営度調査票に回答することで、自社の健康環境を第三者の専門的な視点で把握できるメリットがあります。
専門家から健康経営度調査票のフィードバックシートをもらえるため、コーポレートサイトなどで公開することで、健康経営の推進に力を入れている企業であることをアピールできます。
健康経営では、SDGs(持続可能な開発目標)に配慮した取り組みも求められるため、活動を通じて社会に貢献できる側面もあります。
健康経営度調査票の取得から回答までの流れ
ここからは、健康経営度調査票の取得から回答までの一般的な流れをわかりやすく紹介します。
①健康経営度調査票の取得
健康経営優良法人認定の大規模法人部門では、健康経営度調査票の取得・申請が必要です。
健康経営度調査票の取得・申請は、経済産業省が設けた特設サイト『ACTION!健康経営』から行なうことができるため、まずは申請申込を行い健康経営度調査票をダウンロードします。
②健康経営度調査票の回答
健康経営度調査票をダウンロードした後は、必要事項を入力します。その後、特設サイトに電子データでアップロードする流れとなります。
③後日フィードバックが届く
健康経営度調査票の電子データを提出した後は、自身の回答内容と専門家によるフィードバックシートが届きます。
フィードバックシートを確認することで、自社の健康経営の状態を把握および分析ができます。
『ACTION!健康経営』では、健康経営銘柄と健康経営優良法人各部門における他社の調査票の回答内容とフィードバックシートが一部公開されています。
自社の健康経営に向けた取り組みを改善するためにも、他社の事例を参考にしましょう。
まとめ
この記事では、健康経営度調査票について以下の内容で解説しました。
- 健康経営度調査(調査票)の概要
- 健康経営度調査票で重要な5つの評価項目
- 健康経営度調査票の取得から回答までの流れ
経済産業省が実施している健康経営度調査は、健康経営銘柄・健康経営優良法人(大規模法人部門)の取得・認定に関する基礎情報を収集するための調査です。
健康経営度調査票に回答すれば、自社の現状における健康経営の取り組みを専門家に評価してもらえるため、改善点を明確にできます。
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