健康経営優良法人の評価項目とは?令和5年度の変更点についても解説
健康経営優良法人に認定されるには、大規模法人や中小規模法人に該当する場合の評価項目に加えて、多様な要件を満たす必要があります。
これから健康経営優良法人の認定を目指していくうえで、確実におさえておきたい必須項目や最新の変更点などを知りたい方も多いのではないでしょうか。
この記事では、健康経営優良法人の評価項目について詳しく解説します。
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健康経営優良法人とは
健康経営優良法人とは、経済産業省によって創設された健康経営優良法人認定制度に認定されており、優良な健康経営に取り組んでいる会社を指します。
そもそも健康経営とは、従業員などの健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践することです。
健康経営優良法人に認定されると、求職者や投資家などから見た会社のイメージとブランド力の向上につながります。
健康経営優良法人の認定における評価項目とは
健康経営優良法人の認定は評価項目に基づいて行われ、大規模法人と中小規模法人によって評価項目は異なります。
ここでは、健康経営優良法人の認定における評価項目について詳しく解説します。
大規模法人における評価項目
大規模法人における評価項目は、大きく分けて5つの大項目で構成されています。
具体的には、経営理念や組織体制、制度と施策の実行、評価と改善、法令遵守から成り立っており、そこに細かな項目が付随する形です。
大規模法人部門における、令和5年度の健康経営優良法人及び健康経営銘柄の選定基準は以下の通りです。
大項目及び中項目 |
細かな項目の補足 |
経営理念 |
・健康宣言の社内外への発信を行い、ホワイト500の場合は従業員パフォーマンス指標と測定方法の開示が求められる |
組織体制 |
・経営層の体制において、健康づくり責任者が役員以上 |
制度・施策の検討 |
・健康課題に基づいた、具体的な推進計画の設定 |
制度・施策の実践準備 |
・メンタルヘルスに関する教育を行う機会を設定し、管理職又は従業員へのヘルスリテラシーの向上を図る |
制度・施策の |
・保健指導の実施及び特定保健指導実施機会の提供 |
評価・改善 |
・健康経営の取り組みに対する効果測定を行う |
法令遵守・ |
・定期健診の実施及び50人以上の事業場におけるストレスチェックの実施 |
大規模法人に該当する会社は、業種によって異なります。
製造業は301人以上、卸売業は101人以上、小売業は51人以上、医療法人及びサービス業は101人以上と従業員数によって定められています。
健康経営優良法人における大規模法人は、細かな評価項目の認定がほとんど必須であるため、漏れなくチェックしておくことが望ましいです。
中小規模法人における評価項目
中小規模法人における評価項目は、大規模法人と同様に5つの大項目で構成されていますが、細かな項目が異なります。
中小規模法人部門における令和5年度の健康経営優良法人及び健康経営銘柄の選定基準は以下の通りです。
大項目及び中項目 |
細かな項目の補足 |
経営理念 |
・健康宣言を社内外への発信を行う |
組織体制 |
・健康づくり担当者の設置 |
制度・施策の検討 |
・健康課題に基づいた、具体的な推進計画の設定 |
制度・施策の実践準備 |
・メンタルヘルスに関する教育を行う機会を設定し、管理職又は従業員へのヘルスリテラシーの向上を図る |
制度・施策の |
・保健指導の実施及び特定保健指導実施機会の提供 |
評価・改善 |
・健康経営の取り組みに対する効果測定を行う |
法令遵守・ |
・定期健診の実施及び50人以上の事業場におけるストレスチェックの実施 |
中小規模法人は、大規模法人の該当条件に満たない会社のことを指します。
大規模法人の評価項目よりも比較的細かな項目が少なく、特に経営理念と組織体制の部分が簡素化された内容となっています。
令和5年度の健康経営度調査における知っておくべき変更点
令和5年度における健康経営優良法の健康経営度調査は、健康経営の取り組みや情報開示に関する一部の内容が変更されています。
ここでは、令和5年度の健康経営度調査における変更点について詳しく解説します。
取り組みによって得られた情報の開示
令和5年度の健康経営度調査では、会社の健康経営への取り組みで得られた成果や情報について開示することが求められています。
▼具体的に公開すべき情報
- 人的資本に対する取り組み
- 特定健診及び保健指導の実施率
- 業務パフォーマンス指標の効果測定で得られた情報など
今後の健康経営度調査へ対応できるように、今回の変更点を踏まえた健康経営の推進を行うことが重要です。
社会問題への取り組み
令和5年度の健康経営度調査では、社会において多く掲げられる問題に対する取り組みの有無について問われています。
たとえば、従業員が抱える子育てや介護などの問題、女性特有の健康課題などへの対応、従業員の業務パフォーマンスを最大化するための柔軟な働き方を選択できるなどの取り組みが求められています。
健康経営を促進させるためには、より働きやすい職場環境づくりへの取り組みが必要です。
健康経営のグローバル化への取り組み
健康経営は、国際的な普及促進の取り組みが求められています。
たとえば、海外に駐在している従業員や現地法人の健康課題への対応状況を把握できているかを問われる内容が設問に追加されています。
ただし、この項目は認定の評価に用いられていないと表明されていますが、海外にも展開している会社は、設問に対応できるようにしておくことが望ましいです。
健康経営優良法人を目指すための必須項目
健康経営優良法人になるには、健康経営に関連付けた経営理念を策定し、従業員の健康増進のための組織体制を整備する必要があります。
ここでは、健康経営優良法人を目指すための必須項目について詳しく解説します。
健康経営に関連付けた経営理念の策定とアピール
経営層は、健康経営が重要なものであると認識したうえで、会社の経営理念と結びつけてわかりやすくステークホルダーへアピールする必要があります。
健康経営に関する情報発信はビジネスの取引だけでなく、人材採用や株式市場におけるイメージとしても影響力が高い要素です。
健康経営に取り組めている根拠を明確にするためには、アピールに伴い具体的な施策も示すことが重要です。
従業員の健康増進に基づいた組織体制の整備
健康経営には、従業員の健康増進を目的とした組織体制の整備が必要不可欠です。
健保組合等保険者や産業医、保健師との連携が必須となっており、社内外問わない組織体制をつくり上げる必要があります。
健康経営の企画を行う際は、設置している委員会や外部組織を交えた話し合いを行うことで、施策の最適化が望めます。
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まとめ
この記事では、健康経営優良法人の評価項目について以下の内容で解説しました。
- 健康経営優良法人の評価項目
- 令和5年度の健康経営度調査における変更点
- 健康経営優良法人を目指すための必須項目
健康経営優良法人の認定における評価項目は、経営理念や組織体制、制度と施策の実行、評価と改善、法令遵守の5つの大項目から構成されています。
令和5年度の健康経営度調査では、会社の健康経営への取り組みによって得られた情報の開示や働き方に関する社会問題への取り組み、健康経営のグローバル的な視点の取り組みの有無などが追加されました。
健康経営優良法人を目指すためには、健康経営に関連付けた経営理念の策定及びアピールと従業員の健康増進に基づいた組織体制の整備が必要不可欠です。
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