
【2025年度版】健康経営優良法人の評価項目とは?令和5年度の変更点についても解説
健康経営優良法人に認定されるには、大規模法人や中小規模法人に該当する場合の評価項目に加えて、多様な要件を満たす必要があります。
これから健康経営優良法人の認定を目指していくうえで、確実におさえておきたい必須項目や最新の変更点などを知りたい方も多いのではないでしょうか。
この記事では、健康経営優良法人の評価項目について詳しく解説します。
目次[非表示]
健康経営優良法人とは
健康経営優良法人とは、経済産業省によって創設された健康経営優良法人認定制度に認定されており、優良な健康経営に取り組んでいる会社を指します。
そもそも健康経営とは、従業員などの健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践することです。
健康経営優良法人に認定されると、求職者や投資家などから見た会社のイメージとブランド力の向上につながります。
健康経営優良法人認定制度についてより詳しい内容を知りたい方は、以下の記事で説明していますのでご興味ある方はご覧ください。
健康経営優良法人認定制度とは?認定されるメリットや基準を徹底解説 | 保健同人フロンティア
健康経営優良法人の認定における評価項目とは
健康経営優良法人の認定は評価項目に基づいて行われ、大規模法人と中小規模法人によって評価項目は異なります。
ここでは、健康経営優良法人の認定における評価項目について詳しく解説します。
大規模法人における評価項目
大規模法人における評価項目は、大きく分けて5つの大項目で構成されています。
具体的には、経営理念や組織体制、制度と施策の実行、評価と改善、法令遵守から成り立っており、そこに細かな項目が付随する形です。
大規模法人部門における、令和5年度の健康経営優良法人及び健康経営銘柄の選定基準は以下の通りです。
大項目・中項目 |
小項目 |
評価項目 |
経営理念 (経営者の自覚) |
健康経営の戦略、社内外への情報開示 |
・健康宣言の社内外への発信(アニュアルレポートや統合報告書等での発信) ・従業員パフォーマンス指標及び測定方法の開示 |
自社従業員を超えた健康増進への取組 |
①トップランナーとして健康経営の普及に取り組んでいること |
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組織体制 |
経営層の体制 |
・健康づくり責任者が役員以上 ・健康経営推進に関する経営レベルの会議での議題・頻度 |
実施体制 |
産業医・保健師の関与 |
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健保組合等保険者との連携 |
健保組合等保険者との協議・連携 |
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従業員の健康 課題の把握と 必要な対策の検討 |
健康課題に基づいた具体的な目標の設定 |
健康経営の具体的な推進計画 |
健診・検診等の活用・推進 |
②定期健診受診率(受診率100%) ③受診勧奨の取り組み ④50人未満の事業場におけるストレスチェックの実施 |
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健康経営の実践に 向けた土台づくり |
ヘルスリテラシーの向上 |
管理職又は従業員に対する教育機会の設定 ※「従業員の健康保持・増進やメンタルヘルスに関する教育」については参加率(実施率)を測っていること |
ワークライフバランスの推進 |
⑦コミュニケ-ションの促進に向けた取り組み |
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仕事と治療の両立支援 |
⑧私病等に関する復職・両立支援の取り組み(⑭以外) |
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従業員の心と身体の 健康づくりに関する 具体的対策 |
保健指導 |
⑨保健指導の実施及び特定保健指導実施機会の提供に関する取り組み ※「生活習慣病予備群者への特定保健指導以外の保健指導」については参加率(実施率)を測っていること |
具体的な健康保持・増進施策 |
⑩食生活の改善に向けた取り組み ⑪運動機会の増進に向けた取り組み ⑫女性の健康保持・増進に向けた取り組み ⑬長時間労働者への対応に関する取り組み ⑭メンタルヘルス不調者への対応に関する取り組み |
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感染症予防対策 |
⑮感染症予防に関する取組 |
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喫煙対策 |
⑯喫煙率低下に向けた取り組み 受動喫煙対策に関する取り組み |
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評価・改善 |
健康経営の推進に関する効果検証 |
健康経営の実施についての効果検証 |
法令遵守・リスクマネジメント(自主申告) |
定期健診を実施していること、50人以上の事業場においてストレスチェック を実施していること、労働基準法または労働安全衛生法に係る違反により 送 検されていないこと、等 |
大規模法人に該当する会社は、業種によって異なります。
製造業は301人以上、卸売業は101人以上、小売業は51人以上、医療法人及びサービス業は101人以上と従業員数によって定められています。
健康経営優良法人における大規模法人は、細かな評価項目の認定がほとんど必須であるため、漏れなくチェックしておくことが望ましいです。
中小規模法人における評価項目
中小規模法人における評価項目は、大規模法人と同様に5つの大項目で構成されていますが、細かな項目が異なります。
中小規模法人部門における令和5年度の健康経営優良法人及び健康経営銘柄の選定基準は以下の通りです。
大項目・中項目 |
小項目 |
評価項目 |
経営理念・方針 |
健康宣言の社内外への発信及び経営者自身の健診受診 |
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組織体制 |
・健康づくり担当者の設置 ・(求めに応じて)40歳以上の従業員の健診データの提供 |
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従業員の 健康課題の把握と 必要な対策の 検討 |
健康課題に基づいた 具体的な目標の設 |
健康経営の具体的な推進計画 |
健康課題の把握 |
①定期健診受診率(実質100%) ②受診勧奨の取り組み ③50人未満の事業場におけるストレスチェックの実施 |
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健康経営の 実践に向けた 土台づくり |
ヘルスリテラシーの向上 |
④管理職または従業員に対する教育機会の設定 |
ワークライフバランスの推進 |
⑤適切な働き方実現に向けた取り組み |
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職場の活性化 |
⑥コミュニケ-ションの促進に向けた取り組み |
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仕事と治療の両立支援 |
⑦私病等に関する復職・両立支援の取り組み(⑬以外) |
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従業員の心 と身体の健康づくり に関する具体的 対策 |
具体的な健康保持・増進施策 |
⑧保健指導の実施または特定保健指導実施機会の提供に関する取り組み ⑨食生活の改善に向けた取り組み ⑩運動機会の増進に向けた取り組み ⑪女性の健康保持・増進に向けた取り組み ⑫長時間労働者への対応に関する取り組み ⑬メンタルヘルス不調者への対応に関する取り組み |
感染症予防対策 |
⑭感染症予防に関する取り組み |
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喫煙対策 |
⑮喫煙率低下に向けた取り組み 受動喫煙対策に関する取り組み |
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評価・改善 |
健康経営の取り組みに対する評価・改善 |
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法令遵守・リスクマネジメント(自主申告) |
定期健診を実施していること、50人以上の事業場においてストレスチェックを実施してい ること、労働基準法または労働安全衛生法に係る違反により送検されていないこと、等 |
中小規模法人は、大規模法人の該当条件に満たない会社のことを指します。
大規模法人の評価項目よりも比較的細かな項目が少なく、特に経営理念と組織体制の部分が簡素化された内容となっています。
令和5年度の健康経営度調査における知っておくべき変更点
令和5年度における健康経営優良法の健康経営度調査は、健康経営の取り組みや情報開示に関する一部の内容が変更されています。
ここでは、令和5年度の健康経営度調査における変更点について詳しく解説します。
取り組みによって得られた情報の開示
令和5年度の健康経営度調査では、会社の健康経営への取り組みで得られた成果や情報について開示することが求められています。
▼具体的に公開すべき情報
- 人的資本に対する取り組み
- 特定健診及び保健指導の実施率
- 業務パフォーマンス指標の効果測定で得られた情報など
今後の健康経営度調査へ対応できるように、今回の変更点を踏まえた健康経営の推進を行うことが重要です。
社会問題への取り組み
令和5年度の健康経営度調査では、社会において多く掲げられる問題に対する取り組みの有無について問われています。
たとえば、従業員が抱える子育てや介護などの問題、女性特有の健康課題などへの対応、従業員の業務パフォーマンスを最大化するための柔軟な働き方を選択できるなどの取り組みが求められています。
健康経営を促進させるためには、より働きやすい職場環境づくりへの取り組みが必要です。
健康経営のグローバル化への取り組み
健康経営は、国際的な普及促進の取り組みが求められています。
たとえば、海外に駐在している従業員や現地法人の健康課題への対応状況を把握できているかを問われる内容が設問に追加されています。
ただし、この項目は認定の評価に用いられていないと表明されていますが、海外にも展開している会社は、設問に対応できるようにしておくことが望ましいです。
健康経営優良法人を目指すための必須項目
健康経営優良法人になるには、健康経営に関連付けた経営理念を策定し、従業員の健康増進のための組織体制を整備する必要があります。
ここでは、健康経営優良法人を目指すための必須項目について詳しく解説します。
健康経営に関連付けた経営理念の策定とアピール
経営層は、健康経営が重要なものであると認識したうえで、会社の経営理念と結びつけてわかりやすくステークホルダーへアピールする必要があります。
健康経営に関する情報発信はビジネスの取引だけでなく、人材採用や株式市場におけるイメージとしても影響力が高い要素です。
健康経営に取り組めている根拠を明確にするためには、アピールに伴い具体的な施策も示すことが重要です。
従業員の健康増進に基づいた組織体制の整備
健康経営には、従業員の健康増進を目的とした組織体制の整備が必要不可欠です。
健保組合等保険者や産業医、保健師との連携が必須となっており、社内外問わない組織体制をつくり上げる必要があります。
健康経営の企画を行う際は、設置している委員会や外部組織を交えた話し合いを行うことで、施策の最適化が望めます。
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まとめ
この記事では、健康経営優良法人の評価項目について以下の内容で解説しました。
- 健康経営優良法人の評価項目
- 令和5年度の健康経営度調査における変更点
- 健康経営優良法人を目指すための必須項目
健康経営優良法人の認定における評価項目は、経営理念や組織体制、制度と施策の実行、評価と改善、法令遵守の5つの大項目から構成されています。
令和5年度の健康経営度調査では、会社の健康経営への取り組みによって得られた情報の開示や働き方に関する社会問題への取り組み、健康経営のグローバル的な視点の取り組みの有無などが追加されました。
健康経営優良法人を目指すためには、健康経営に関連付けた経営理念の策定及びアピールと従業員の健康増進に基づいた組織体制の整備が必要不可欠です。
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