健康経営における評価指標とは?KPI設定で見逃せない5つの重要項目
健康経営の取り組みを効果的に行うためには、自社の健康課題の現状を把握して、それに基づいた評価指標(KPI)の設定をする必要があります。
しかし、どのような評価指標を設定すべきかわからないという担当者様も多くみられます。
評価指標の要素には、従業員の健康状態や満足度などさまざまな観点があり、健康診断の分析やアンケート調査によって明確化が可能です。
この記事では、健康経営における評価指標や、KPI設定で見逃せない重要項目について詳しく解説します。
目次[非表示]
- 1.健康経営とは
- 2.健康経営で評価指標(KPI)を設定する目的
- 3.健康経営における評価指標(KPI)の5つの重要項目
- 3.1.①従業員の健康におけるコンディションやメンタルヘルス不調
- 3.2.②職場環境の満足度
- 3.3.③健康増進の取り組みへの参加率
- 3.4.④従業員の欠勤・遅刻率
- 3.5.⑤労働時間の長さ
- 4.健康経営の評価指標を設定する際の重要ポイント
- 4.1.具体的な数値目標の設定
- 4.2.達成可能な目標の設定
- 4.3.目標達成までの期間の細やかな設定
- 5.健康データの可視化・分析で健康経営を進めるなら『HoPEサービス』
- 6.まとめ
健康経営とは
健康経営とは、従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践することです。
健康経営に取り組むと、会社の社会的なイメージアップにつながり、従業員の健康保持やパフォーマンス向上によって業績アップが望めます。
評価指標(KPI)を設定すれば、健康経営の取り組みの効果を可視化できるため、PDCAを回しながら施策を改善していけます。
健康経営で評価指標(KPI)を設定する目的
健康経営で評価指標(KPI)を設定する目的は、健康経営の目標や方向性を定めて会社における現状の課題を明確にするためです。
評価指標を定めれば、健康経営に向けた施策の効果を測定しやすくなり、具体的なフィードバックが可能になります。
健康経営の目標や現状の課題整理については、経済産業省が2020年6月に策定した『健康投資管理会計ガイドライン』に基づいて、戦略マップを作製することが推奨されています。
健康経営における評価指標(KPI)の5つの重要項目
ここでは、健康経営における評価指標(KPI)の5つの重要項目について詳しく解説します。
①従業員の健康におけるコンディションやメンタルヘルス不調
従業員の健康状態を指標にして、健康におけるコンディションの維持が必要不可欠です。
具体的な指標の例としては、定期健康診断の受診率や特定健診・特定保健指導の実施率、ストレスチェックにおける高ストレス者の割合などがあります。
従業員の健康を維持するためには、健康診断やストレスチェックの結果などを指標として、健康課題を解決するためのプログラムを組むのが望ましいです。
従業員一人ひとりに合わせた生活習慣病の予防策や健康増進の施策を行い、従業員の健康状態を向上させる取り組みが欠かせません。
②職場環境の満足度
職場の人間関係や働く環境に対する満足度を指標にし、それを向上させる取り組みが重要です。
たとえば、従業員満足度調査や従業員エンゲージメント調査、職場環境調査などのアンケートでWell-being(ウェルビーイング)やエンゲージメントの度合いを測定し、フィードバックを行います。
従業員満足度の可視化によって、従業員への適切なマネジメントや職場環境の整備などの施策ができます。
③健康増進の取り組みへの参加率
会社が実施している健康増進の取り組みへの参加率は、従業員の健康に対する意識調査になります。
たとえば、健康教育や禁煙プログラムへの参加率などの指標で意識調査が可能です。
参加率のデータを基に、取り組みの効果測定と改善を行えば、従業員の健康維持を継続的にサポートできるようになります。
④従業員の欠勤・遅刻率
従業員の欠勤・遅刻の頻度の調査は、健康状態や心理的なストレスなどが関係します。
具体的には、健康診断の結果への対処の有無や欠勤率の測定を行い、従業員の健康課題やプレゼンティーズムの状態がわかります。
健康課題に対するウェルネスプログラムの実施や、個人ごとにケアを行うことで、プレゼンティーズムを減らすための施策を行うことが有効です。
⑤労働時間の長さ
労働時間のデータは、業務上のストレス要因による従業員のメンタルヘルス不調を測定するための重要な指標です。
調査する指標としては、長時間労働者数や従業員の平均労働時間、有給取得率などがあります。
年次有給休暇の取得率や長時間労働者の数を把握すれば、ワークライフバランスの実現につなげられます。
健康経営の評価指標を設定する際の重要ポイント
ここでは、健康経営の評価指標を設定する際の重要ポイントについて詳しく解説します。
具体的な数値目標の設定
健康経営の取り組みによる効果を最大化するには、具体的な数値目標の設定が重要です。
数値目標の設定によって指標を可視化でき、進捗が把握しやすくなるため健康経営の取り組みを改善しながら行えます。
▼具体的な数値目標の例
- 有給取得率80%以上
- 特定健康診査実施率90%以上
- 喫煙率3%以下など
職場の状況によって健康課題はさまざまで、掲げるべき数値目標も異なります。
したがって、社内で健康課題を洗い出し、優先順位を決めて数値目標の決定をするのが望ましいです。
達成可能な目標の設定
従業員も一緒に行う健康経営の取り組みでは、実現可能な範囲の目標の設定が必要です。
無理難題な目標は従業員の反発を買う可能性があるため、小さな目標から始めて健康経営への取り組みの習慣化を図ります。
健康経営は、長期期間かけて取り組むものであり、従業員全体の意識を変える目的があります。
徐々に目標を高くしていき、従業員の取り組みに対するモチベーションを下げないようにすることが大切です。
目標達成までの期間の細やかな設定
健康経営で改善したい目標は、達成までのプロセスを細分化して段階ごとに期間を設定すると取り組みやすいです。
数年後の目標よりも月毎や決算毎などのように細かく設定すれば、目標到達までのプロセスをイメージしやすくなります。
具体的な細かい目標期間の設定によって、途中経過のフィードバックもできるため、目標の達成に期待できます。
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まとめ
この記事では、健康経営における評価指標について以下の内容で解説しました。
- 健康経営で評価指標(KPI)を設定する目的
- 評価指標の重要項目
- 評価指標を設定するポイント
健康経営における評価指標の設定は、会社の健康経営の目標や方針を明確にするために必要な要素です。
従業員の健康状態や職場に対する満足度、健康増進への取り組み方などさまざまな項目を指標にできます。
健康経営の評価指標の設定は、具体的な数値で達成可能であるか、達成までの期間を細分化してしっかり検討するのが大事です。
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