EAP(従業員支援プログラム)で提供される研修サービスとは?組織と従業員にもたらす効果
従業員のメンタルヘルスの不調を防止・対策する取り組みとして、EAPが企業で導入されています。
EAPでは専門窓口の設置や専門家によるアドバイスなど、幅広い視点で従業員のストレスや悩みにアプローチし、メンタルヘルスの不調の防止と発生した際の対応が可能です。
EAPはどのような企業にも必要な要素ですが、導入を検討していてもEAPの目的や効果が分からないという方もいるのではないでしょうか。
この記事では、EAPの目的や一般的な取り組み内容、EAPで提供される研修の種類や効果、外部EAPを導入するメリットについて詳しく解説します。
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EAPの目的とは
EAP(Employee Assistance Program)とは、日本語で従業員支援プログラムと呼ばれており、従業員のメンタルヘルス不調をケアする目的で実施されるプログラムです。
厚生労働省の『労働者の心の健康の保持増進のための指針』にて示された4つのメンタルヘルスケアにEAPが含まれており、導入の重要性が高まっています。
EAPには、社内で実施する「内部EAP」と社外の専門家・専門機関に委託する「外部EAP」の2種類がありますが、近年では外部EAPを導入する企業が増加傾向にあるといわれています。
外部EAPでは、従業員の立場によって異なるメンタルヘルス研修やストレスマネジメント研修などを提供しているサービスもあり、従業員一人ひとりの細かなメンタルヘルスケアを行うことが可能です。
EAPの一般的な取り組み内容
EAPには各従業員が抱える異なるストレスや悩みに対応できるように、さまざまな取り組みが行われています。EAPの一般的な取り組みには以下のようなものがあります。
▼EAPの一般的な取り組み
- 専門職によるカウンセリング
- 職場での対人関係によるトラブルの相談
- 法的、財務的な悩み相談
- ワークライフバランスの実現に向けたアドバイス
- 24時間365日の相談窓口開設(外部EAP)
- メンタルヘルス対策、ケアに関する教育、研修の提供 など
基本となる専門職によるカウンセリングをはじめ、職場での人間関係のトラブルや個人的な法的・財務的な悩みまで幅広く対応しており、仕事とプライベートを含めたメンタルヘルスケアが実施できます。
また、外部EAPであれば24時間365日対応可能な相談窓口が設置可能な場合もあります。そのため、いつ起こるか分からない従業員のメンタルヘルスの不調に迅速に対応できる体制を構築可能です。
メンタルヘルス対策やケアに関する正しい知識を学ぶための教育・研修もEAPに含まれているため、組織全体でメンタルヘルス対策の意識を高めるのに役立ちます。
EAPで提供されるメンタルヘルス研修の種類と効果
ここでは、EAPで提供されるメンタルヘルス研修の種類と効果を紹介します。
①セルフケア研修(全社員向け)
セルフケア研修とは、自分自身でストレスに気づく方法、ストレスへの正しい知識、基本的な対応方法などを学ぶ研修です。
自分なりのストレスの対応方法を習得することで、周囲と協力しながらストレスに対応できるようになり、メンタルの不調を未然に防止できます。
すでに働いている従業員はもちろんのこと、新入社員や中途社員が抱える特有のストレスや悩みに関するケアについて学べるため、すべての従業員が安定的にセルフケアに取り組めるようになります。
②ラインケア研修(管理職向け)
ラインケア研修とは、職場のラインにいる管理職に向けたメンタルヘルス不調を防止するための部下の対応について学ぶ研修です。
部下のメンタルヘルス不調に気づくための能力やメンタルヘルス不調を軽度なうちに改善する方法などが学習できるため、メンタルヘルスの不調の抑制と万が一の際の迅速な対応ができるようになります。
従業員の不調を早期に発見、対応することができれば従業員の健康状態を維持できるため、休職や離職などのリスクを回避できる可能性が高まります。
③コミュニケーションスキルトレーニング研修(管理職向け)
コミュニケーションスキルトレーニング研修では、部下とのコミュニケーションに必要な様々なスキルを学習します。
相手の話を丁寧に聞くスキルや適切に物事を伝えるスキル、やる気を高める声掛けなどを学習し、部下とのコミュニケーションの円滑化を図ります。
仕事や人間関係のストレスは一人で対応できないことが多いため、上司や周囲の従業員の協力とコミュニケーションが必要不可欠です。
④ハラスメント防止研修(管理職向け)
ハラスメント防止研修とは、組織内でのハラスメントを未然に防止するためのマネジメントスキルを習得させる研修です。
ハラスメントに対する正しい知識の習得や適切なコミュニケーションの促進、定期的な注意喚起や相談窓口の設置などについて学習し、職場でのハラスメントを原因としたメンタルヘルスの不調を未然に防止します。
従業員の価値観は時代の流れとともに変化・多様化しているため、管理職の方はすべての従業員が安心して働ける環境の整備を意識することが大切です。
外部EAPの各種サービスを利用するメリット
従業員のメンタルヘルスの不調を幅広い視点と取り組みで対策・対応するEAPは企業にとって必要な要素です。
メンタルヘルスの不調が発生した後の対応だけではなく、メンタルヘルスの不調を防止するための正しい知識やスキルが学習できるため、従業員にとって働きやすい環境の整備に役立ちます。
EAPのなかでも外部EAPは多種多様なサービスを備えているため、導入することで企業にメリットをもたらす可能性があります。
▼外部EAPを利用するメリット
- メンタルヘルスケアに関する専門性の高い研修を外注できる
- 内部EAPよりも人的コストを抑えられる
- 相談窓口が外部にあるため、従業員が安心して相談できる など
自社のリソースのみでメンタルヘルスに関する教育や研修を実施することは容易ではありませんが、外部EAPを利用すれば専門性の高い研修が外注できます。
また、内部EAPでは社内で専門スタッフの配置が必要です。外部EAPであれば、社外の専門家や専門機関を利用できるため、人的コストをかける必要がありません。
相談窓口が外部にあるため、会社に知られることがないので上司に打ち明けにくい内容でも気軽に相談できます。
まとめ
この記事では、EAPで提供される研修サービスについて以下の内容で解説しました。
- EAPの目的とは
- EAPの一般的な取り組み内容
- EAPで提供されるメンタルヘルス研修の種類と効果
- 外部EAPの各種サービスを利用するメリット
EAPでは従業員のメンタルヘルスケアとメンタルヘルスの不調を防止する取り組みが行われています。
外部EAPならメンタルヘルスに精通した専門職が対応する相談窓口を外部に設置できるため、従業員が気軽に利用しやすくなります。
専門家による指導やアドバイスに加えて、医療機関との連携などができるサービスもあるため、従業員のメンタルヘルスを総合的に守れます。
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