
ストレスチェックの80項目版と57項目版の違いとは?適切な調査で会社の課題を可視化
ストレスチェックで主に活用されている項目として、職業性ストレス簡易調査票の57項目版、さらには簡易版となる23項目版、新職業性ストレス簡易調査票の推奨尺度標準版である120項目版と簡易版である80項目版の4種類があります。
アンケートの種類に深く考えず、ストレスチェックを実施しているケースも見られますが、設問が多いアンケートほど詳細な調査が可能です。
また、専門的なサービスを利用すれば、さらに効果的なストレス調査と分析が行えます。
この記事では、比較的多く活用されているストレスチェックの80項目版と57項目版、23項目版の違いについて詳しく解説します。
目次[非表示]
- 1.ストレスチェックとは
- 2.ストレスチェックの種類
- 2.1.新職業性ストレス簡易調査票の80項目版
- 2.2.職業性ストレス簡易調査票の57項目版
- 2.3.職業性ストレス簡易調査票の 23項目版
- 3.80項目版のストレスチェックを利用する目的
- 4.ストレスチェックで調査する3つのストレス領域
- 4.1.①仕事のストレス要因
- 4.2.②心身のストレスの反応
- 4.3.③周囲のサポート
- 5.ストレスチェックの80項目版と57項目版の違いとは
- 6.80項目版のストレスチェックで判定できる内容
- 7.80項目版のストレスチェックを実施する際の注意点
- 7.1.アンケートの回答に集中してもらう
- 7.2.専門的な知見を持つ人が分析と改善を行う
- 8.独自のストレスチェックで効果的にストレス調査ができる『HoPEサーベイ』
- 9.まとめ
ストレスチェックとは
ストレスチェックは、従業員の心理的な負担を客観的に評価するための検査です。
従業員自身がストレスに関する質問票に回答し、その結果を専門家が分析することで、個人や組織のストレス状態を把握します。
この検査により、従業員は自身のストレス状態を認識し、早期対策を講じることが可能です。
また、会社側も組織全体のストレス傾向を把握し、職場環境の改善に活用することが可能になります。
ストレスチェック制度についてより詳しい内容を知りたい方は、以下の記事で説明していますのでご興味ある方はご覧ください。
ストレスチェックについて理解しよう!概要から実施手順、その後の対応まで詳しく解説 | 保健同人フロンティア
ストレスチェックの種類
ここでは、設問数で異なるストレスチェックの種類について詳しく解説します。
新職業性ストレス簡易調査票の80項目版
80項目版のストレスチェックは、職場におけるストレス状況について詳しく調査でき、職場環境改善に向けた取り組みに役立ちます。
57項目版のストレスチェックに23の設問を加えた内容で、より詳細な尺度によって、従業員の情緒的負担や成長機会の有無、ワークエンゲージメントなどの把握ができます。近年の健康経営の意識の高まりにより活用する企業が増えてきています。
職業性ストレス簡易調査票の57項目版
57項目版のストレスチェックは、厚生労働省が推奨しているストレスチェックで、一般的に多く利用されている調査票です。
80項目版より設問が少ないため手軽に取り組みやすい特徴があります。
なお、政府が公開している57項目版は具体的にはこちらになります。
https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei12/dl/stress-check_j.pdf
職業性ストレス簡易調査票の 23項目版
23項目版ストレスチェックは、57項目版ストレスチェックをより簡略化したものです。
設問数が少ないため簡単に取り組めますが、従業員のストレス状態における詳しいデータを得られません。従業員のストレス状態を深く調査するには、57項目以上のストレスチェックの実施が望ましいです。
なお、政府が公開している23項目版は具体的にはこちらになります。
https://stresscheck.mhlw.go.jp/download/material/sc23.pdf
【関連する資料はこちら】
【無料ダウンロード!】ストレスチェック後にやるべきこととは?効果的な施策と進め方【保健同人フロンティア】
80項目版のストレスチェックを利用する目的
80項目版のストレスチェックの目的は、職場のストレス状況を詳しく把握し、確実性のあるストレス対策につなげることです。
57項目版よりも情報が多く取得できるため、細やかな集団分析ができ、ストレス状況を詳細かつ深く把握できます。
ストレスが低減できれば、ワークエンゲージメントを高められ、会社の生産性の向上にもつながります。
ストレスチェックで調査する3つのストレス領域
ストレスチェックを実施する際には、以下の3領域を回答項目として用意する必要があります。
①仕事のストレス要因
職場における従業員の心理的な負担の原因に関する項目を言います。
具体的な項目で言うと、厚生労働省が公開している職業性ストレス簡易調査票(57項目)では
- 心理的な仕事の負担(量的な負担)
- 心理的な仕事の負担(質的な負担)
- 自覚的な身体的負担
- 職場の対人関係でのストレス
- 職場環境によるストレス
- 仕事のコントロール度
- 技能の活用度
- 仕事の適正度
- 働きがい
が仕事のストレス要因に該当します。
仕事のストレス要因が見つかった場合、残業時間の改善や管理者による面談などの対策が有効です。
②心身のストレスの反応
心理的な負担による心身の自覚症状に関する項目 をいいます。
具体的な項目で言うと、厚生労働省が公開している職業性ストレス簡易調査票(57項目)では
- 活気
- イライラ感
- 疲労感
- 不安感
- 抑うつ感
- 身体愁訴
が心身のストレスの反応に該当します。
症状に基づいた医師の判断によって、ストレス反応の原因の発見が可能です。
従業員の心身のストレス要因が見つかった場合、セミナーによる従業員のセルフケアの強化や、休養の見直しなどの対策が有効です。
③周囲のサポート
職場における他の労働者による当該労働者への支援に 関する項目をいいます。
具体的な項目で言うと、厚生労働省が公開している職業性ストレス簡易調査票(57項目)では
- 上司からのサポート
- 同僚からのサポート
- 家族、友人からのサポート
- 仕事や生活の満足度
が周囲のサポートに該当します。
サポート環境の有無を確認できれば、人間関係に係る部分や従業員へのサポート面における対策が打てるようになります。
周囲からのサポートがない場合は、社内コミュニケーションの促進や管理者のマネジメント内容の見直しなどの対策が有効です。
ストレスチェックの80項目版と57項目版の違いとは
ストレスチェックは、従業員のストレス状況を把握し、メンタルヘルス不調となるリスクを未然に防止するために行われる調査です。
厚生労働省は、職業性ストレス簡易調査票(57項目版)と簡易調査票(簡略版23項目)を公開しており、ストレスチェックの実施を推奨しています。
80項目版のストレスチェックは、57項目版の調査票にワークエンゲージメントやハラスメント、上司のマネジメントなどの職場の雰囲気や、特定ストレス要因に対する従業員の反応を示す設問を加えたものです。
57項目版では「仕事のストレス要因」「心身のストレス反応」「周囲のサポート」という項目がありましたが、それにさらに新たな項目が追加されたものが80項目版です。
具体的には
- 仕事の負担に対する尺度を拡張し、情緒的負担や役割葛藤が測定できるように
- 仕事の資源に関する尺度として、作業レベル、部署レベル、事業場レベルを追加
- 労働者の仕事へのポジティブな関わり(ワークエンゲージメント)の計測
- 職場の一体感の計測
- 職場のハラスメントの計測
ができるようになっています。
なお、より詳しい内容については厚生労働省が公開している『新職業性ストレス簡易調査票について』に記載されていますのでぜひそちらも確認ください。
80項目版のストレスチェックで判定できる内容
80項目版のストレスチェックで判定できる内容は、57項目版より詳細なものとなっています。
主要な項目 |
57項目版 |
80項目版 |
仕事のストレス要因 |
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仕事のやりがい |
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周囲のサポート |
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|
会社との関係性 |
なし |
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主観的な心身状態 |
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80項目版のストレスチェックを実施する際の注意点
ここでは、80項目版のストレスチェックを行う際の注意点について詳しく解説します。
アンケートの回答に集中してもらう
ストレスチェックの結果を正確なものにするためには、アンケートに集中してもらう必要があります。
特に、80項目版は詳細な項目が増えているため、回答に時間がかかる傾向にあります。
アンケートに集中して回答してもらいたい場合は、Web受検やスマホ受検を活用しましょう。
これらの方法は、時間と場所を気にせずアンケートに回答できる方法であるため、回答の質を高めたい場合に有効です。
専門的な知見を持つ人が分析と改善を行う
ストレスチェックの分析には、専門的なスキルを必要とします。
特に、80項目版のような詳細なアンケートからは複雑なデータが得られるため、正確な分析および解析ができる専門家の知識が不可欠です。
自社にそのような専門知識を持つ人材がいない場合、外部のストレスチェックサービスの利用を考慮することが推奨されます。
専門家による正確なデータ分析と効果的な改善策の提案に期待できます。
独自のストレスチェックで効果的にストレス調査ができる『HoPEサーベイ』
保健同人フロンティアが提供する『HoPEサーベイ』は、独自の80問のストレスチェックを実施および分析できるサービスです。
生産性・人材の定着・ストレス状態・職場環境などの多角的な観点を統合して、Well-being(身体的・精神的・社会的に良好な状態)スコアの測定を実現します。
▼『HoPEサーベイ』の特徴
- Well-beingスコアを網羅している当社独自の80問のストレスチェックで多角的なストレス要因を検出
- 当社独自の「生産性」と「人材定着」の要素で、企業成長と離職リスクを可視化
- EAPコンサルタントによる分析・改善のサポートで効果的なストレスチェックが可能
- 会社全体のレポートと個人レポートのわかりやすい可視化で具体的な改善ができる
これからストレスチェックを計画される方や、80項目版のストレスチェックで成果が得られなかった方は、ぜひお気軽にご相談ください。
まとめ
この記事では、ストレスチェックの80項目版と57項目版の違いについて以下の内容で解説しました。
- ストレスチェックの種類
- 80項目版のストレスチェックで判定できる項目
- 80項目版のストレスチェックの実施における注意点
ストレスチェックは、設問数が多いほど詳細な調査ができる傾向にあります。
最も設問数が多い80項目版は、職場のストレス状況を詳しく把握でき、職場環境改善に向けた取り組みにつなげやすいです。
保健同人フロンティアが提供する『HoPEサーベイ』は、新職業性ストレス簡易調査票とは異なる、当社独自のストレスチェックサービスです。
Well-beingスコアを網羅したストレスチェックとなっているため、組織・個人におけるストレス値を多角的に検出できます。
『HoPEサーベイ』のストレスチェックの内容や専任コンサルタントによるサポート内容などについて、わかりやすく解説した資料を無料公開していますので、ぜひこの機会にご覧ください。