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健康経営の課題を解決するための戦略とは?スムーズに実施するために知っておくべきこと


健康経営は従業員の健康増進と会社の価値向上を両立させる重要な経営戦略です。

しかし、実際に取り組む際にはさまざまな課題に直面することがあり、効果的な健康経営を実現するためには、適切な戦略が必要不可欠です。

健康経営を推進したいが、どのように課題を解決すればよいか分からないという方も多いのではないでしょうか。

この記事では、健康経営における課題とその解決策について詳しく説明します。


目次[非表示]

  1. 1.健康経営の定義・目的
  2. 2.健康経営が求められる理由 
  3. 3.健康経営の重要性
  4. 4.健康経営に取り組む際の主な課題
    1. 4.1.経営層の理解不足
    2. 4.2.担当者の業務過多
    3. 4.3.従業員の意識が低い
    4. 4.4.目標が不明確で、形だけの取り組みになってしまっている 
    5. 4.5.いきなり大きな成果を狙いに行ってしまう 
    6. 4.6.健康経営のノウハウが足りていない 
  5. 5.健康経営の課題を解決に導く方法
    1. 5.1.経営層の意識改革
    2. 5.2.健康宣言をする 
    3. 5.3.業務内容とリソース配分の見直し
    4. 5.4.従業員への教育
    5. 5.5.実現可能な目標を定める 
    6. 5.6.できることから始める 
  6. 6.健康経営をスムーズに実施するなら『HoPEヘルスケア』
  7. 7.まとめ


健康経営の定義・目的

健康経営とは、従業員等の健康増進等に関する取り組みのことを「コスト」ではなく「投資」と捉え、戦略的に実践する経営手法のことです。

従業員への健康投資を行うことで生産性向上などが期待でき、結果的に業績や株価の向上につながると考えられています。

もっというと、健康経営の推進は従業員の心身の健康を維持・向上させるだけではなく、企業イメージアップなどの効果も期待できます。

経営的な視点で言うと、健康経営は従業員への健康に時間やお金を投資し、その結果従業員の生産性の向上や企業イメージアップを狙うといった取り組みになります。

また、健康経営において重要なのは「戦略的に実践する」ことです。「健康経営を通じて自社がどうなっていきたいか」をイメージしながらゴール(目標)を設定し、PDCAを意識しながら中長期的な視点で取り組むという点が重要です。 

従業員の健康管理を経営的視点から考え、戦略的に実践することが健康経営においては不可欠なのです。


なお健康経営の定義や目的、健康経営優良法人認定制度については以下の記事で説明していますのでご興味ある方はご覧ください。

健康経営とは?定義や目的と健康経営優良法人認定制度をわかりやすく解説 | 株式会社保健同人フロンティア


健康経営が求められる理由 

そもそも健康経営は経済産業省が推奨している取り組みです。経産省がどういった背景で健康経営を推進しているかを理解することで、なぜ健康経営が必要かの理解につながります。 
 
健康経営推進の背景を理解するためには、まず日本が直面する課題について理解する必要があります。 

その課題とは以下の点です。 

  • これから30年で総人口は20%減少し、その中でも特に生産年齢人口は30%以上減少。また高齢化が進展し、約40%が高齢者、約10%が要介護者となり、対処をしなければ経済維持が困難に。 
  • 他方、平均寿命は延伸するため、健康な状態で長期間経済活動を行うことができる「健康寿命の延伸」が重要。 
  • 要介護者の増加に伴い、公的保険で賄われる社会保障の 負担額も約35%増加する見込み。 

上記が予測される中、人々の健康への投資、医療の質の高度化や、公的保険の 範囲にとらわれない産業発展が重要となってきます。 

そんな中、経済産業省としては現役の働く世代の健康寿命の延伸を進めるために、健康経営の推進を企業に奨励しています。 

企業が従業員の健康づくりを「コスト」ではなく「投資」と捉え、人的資本投資の一環として従業員の健康づくりを推進してもらい、それによって企業の業績向上と働く世代の健康寿命の延伸をどちらも進めることを経産省としては狙っているのです。

 

より詳しい内容については、以下の記事で説明していますのでご興味ある方はご覧ください。

健康経営とは?定義や目的と健康経営優良法人認定制度をわかりやすく解説 | 株式会社保健同人フロンティア



健康経営の重要性

健康経営は、会社の持続的な成長と発展に直結する重要な経営戦略です。

健康経営による従業員の健康増進は、個人の生活の質を向上させるだけでなく、会社全体の生産性向上にも大きく貢献します

特に、メンタルヘルス対策は従業員の離職防止やエンゲージメントの向上につながります。

さらに、健康経営に積極的に取り組む会社は、社会的評価も高まり、優秀な人材の獲得にもつなげることが可能です。


健康経営に取り組む際の主な課題

健康経営を推進するうえで直面する可能性のある課題を理解し、適切に対処することが、効果的な健康経営の実現につながります。

ここでは、健康経営に取り組む際の主な課題について詳しく解説します。


経営層の理解不足

健康経営を成功させるためには、経営層の理解と支援が不可欠です。しかし、多くの会社では経営層が健康経営の重要性を十分に理解していないケースが見られます

そのようなケースでは、必要な予算や人員の確保が困難になり、効果的な施策の実施が妨げられる可能性があります。

経営層の理解を得るためには、健康経営がもたらす具体的な効果や投資対効果を明確に示すことが重要です。

数値化された成果や成功事例を提示することで、経営層の関心を高め、積極的な支援を引き出すことが可能になります。


担当者の業務過多

健康経営の担当者は、既存の業務に加えて新たな業務を負うことになるため、業務負担が著しく増加することがあります。

特に、健康経営の担当が兼任である場合、時間や労力の配分が難しくなり、効果的な施策の実施が困難になる可能性があります

この課題を解決するためには、業務の効率化や外部リソースの活用が重要です。

健康経営専門の部署を設置したり、産業医や保健師などの専門家と連携したりすることで、担当者の負担を軽減し、より効果的な健康経営の推進が可能になります。


従業員の意識が低い

健康経営の成功には、従業員の積極的な参加と意識向上が不可欠です。

しかし、多くの会社では従業員の健康への関心や健康経営施策への参加意欲が低いことが課題となっています

また、メンタルヘルス不調のリスクも常に存在し、適切な対策が求められています。この課題に対しては、従業員への継続的な教育と啓発活動が重要です。

健康の重要性や健康経営の意義を分かりやすく伝え、参加しやすい環境を整備することで、従業員の意識向上と積極的な参加を促すことができます。


目標が不明確で、形だけの取り組みになってしまっている 

健康経営において不可欠なのは「戦略的な実践」です。そしてそのために重要なのが目標の設定です。 

目標が設定されていない場合、そもそもどこを目指しているのか、そしてそこに近づくためにどういった課題を解消する必要があるのかなどが不明確になってしまい、思いついた施策を行き当たりばったりで実施するだけになってしまいます。 

こうなってしまうと、せっかく一定数の工数や予算をかけて取り組んだ健康経営が無駄になってしまう可能性が出てきてしまうのです。 

こういった状況を防ぐためにも、まずは何のために健康経営に取り組むかを明確にし、それに基づいて何を目指すかを明確にしていく必要があります。 

まずはそもそも健康経営を進めることになった経緯を振り返り、健康経営に取り組む理由が抽象的な場合はしっかり解像度を高める作業をしておく必要があります。


いきなり大きな成果を狙いに行ってしまう 

よくある失敗の一つとして、大きな成果を得るためにいきなり綿密な計画を立ててしまうことがあります。 

これがなぜ失敗につながってしまうかというと、健康経営を始めたての「自社に健康経営の意識が根付いていない」段階ではどういった取り組みであっても従業員に受け入れられるハードルが高く、失敗してしまう可能性が高いためです。 

そのため、まずは小さな成果でもよいのでできることから始めることをおすすめします。 

例えば「健康診断の受診を推進するためのポスターを提示する」などでもよいので少ない工数で可能なことから地道に実施していくことが大切です。 


健康経営のノウハウが足りていない 

こちらもよくある失敗の一つで、社内に健康経営のノウハウが足りていないというものがあります。 

健康経営に対して経営陣が積極的な企業であれば、外部の専門家を入れることもやぶさかではないかもしれませんがそうではない担当者も多いはずです。 

となると自分たちで進めるしかありませんが、健康経営の推進には一定数のノウハウが求められるため、健康経営に取り組みたいと思っていても「自社にどういった課題があるのか」「何から取り組んでいいかわからない」といった悩みを抱えてしまうという声をよく聞きます。 

健康経営の推進に関しては「健康経営エキスパートアドバイザー」と呼ばれる、中小企業へ健康経営の取り組み支援を行える人材を育成する制度が存在するので、可能であればそういった資格を持った人材に頼ることが望ましいです。 

それが難しい場合は、健康経営のコンサルティングをしている企業が公開しているノウハウ記事などをよく読み、まずはそれを参考に進めていくことがよいでしょう。 


健康経営の課題を解決に導く方法

健康経営の課題を効果的に解決するためには、戦略的なアプローチが必要です。ここでは、主な課題に対する具体的な解決策について解説します。


経営層の意識改革

経営層の理解と支援を得るためには、健康経営の効果を具体的な数値で示すことが効果的です。

たとえば、メンタルヘルス不調による損失や、健康経営施策による生産性向上の事例などを提示することで、経営戦略としての健康経営の重要性を明確に伝えることができます

また、健康経営優良法人認定制度などの外部評価を活用し、会社のイメージの向上や人材獲得への好影響を示すことも有効です。

これらの方法で、経営層に対して健康経営が会社の持続的成長につながる重要な投資であることを理解してもらう必要があります。


健康宣言をする 

健康経営を実践する際に最初に必要なことは、経営者自身が「これから従業員の健康づくりに取り組むこと」「自社になぜ健康経営が必要と思っているか」ということを、経営者の言葉で従業員に語ることです。 

このメッセージを「健康宣言」として、社内外に発信することが健康経営の取り組みの第一歩となります。 

経営者自身からこういった宣言をすることによって、従業員に対して健康経営に対する力の入れようを伝えることができます。そうなれば、その後に担当者から発信する健康経営に関する内容の響き方も変わってきます。 

健康経営は従業員が対象となる取り組みである以上、従業員がどの程度健康経営に協力的かは非常に重要なポイントとなってきます。 

そういった意味でも、経営者から健康宣言をしてもらうことは大事なポイントなのです。 


業務内容とリソース配分の見直し

健康経営担当者の業務負担を軽減するためには、業務内容の見直しとリソースの適切な配分が重要です。

たとえば、専門の部署を設置したり、産業医や保健師などの外部専門家と連携したりすることで、効率的な健康経営の推進が可能です。

また、健康管理システムなどのITツールを活用することで、データ管理や分析の効率化を図ることができます。

このように、健康経営担当者の業務内容とリソースの見直しをすることで、戦略立案や施策の実施により多くの時間を割くことが可能になります。


従業員への教育

従業員の健康意識を高め、積極的な参加を促すためには、継続的な教育と啓発活動が重要です。

たとえば、設置している相談窓口を毎月案内する、管理職が業務時間内のメンタルヘルス研修の参加を積極的に促す、ストレスチェックの受検を促すといった活動が必要になります。

また、ストレスチェック後の職場環境改善や、長時間残業の改善等のワークライフバランスの改善といった、メンタルヘルス不調の予防に努めることが望ましいです。

健康づくりイベントの開催や、健康増進に取り組む従業員への表彰制度の導入なども、従業員の意識向上と積極的な参加を促す有効な方法です。


実現可能な目標を定める 

目標を定める上で重要なことは、それが具体的かつ測定可能であることです。 

この二点が欠けていると、結局目標がどの程度達成できたのかが見えないので計画が頓挫しやすくなってしまいます。 

また、達成可能な目標であるかどうかも重要です。特に経営陣が健康経営に積極的で、経営陣から目標が下りてきた場合などはそれが期間内に実現可能なものかなどは検討する必要があります。 

各企業ごとに状況が異なる以上、他の企業にとってはハードルが低い目標も、自社にとっては乗り越えなければならないハードルが多い場合も十分あり得ます。 

そういった点を考慮して目標を定めることが重要です。 


できることから始める 

前の章でお話した通り、健康経営を始めたばかりの時期は社員への健康経営の浸透度も低く、各取り組みの期待値が低い可能性も十分あり得ます。そういったことを考慮すると、まずは少ない工数でもできることから実施するべきです。 

例えば「健康診断の受診を推進するためのポスターを掲示」「食生活改善キャンペーンを行う(ノンオイルドレッシングの推奨など)」「階段の利用を推進する」といった類のもので十分です。

従業員の健康づくりと聞くと健康管理システムの導入や、外部専門家の雇用などコストがかかるものを思い浮かべる方も多いかもしれませんが、従業員同士で健康について話し合う機会を設けるなど、必ずしもコストがかかる取り組みだけではありません。

特に中小企業では、手軽にコストがかからずにできる取り組みから始めることをおすすめします。

以下はそういった取り組みの一例です。

■健康診断に対する取り組み

■運動の推進
・健康診断の受診を推進するためのポスターを提示する
・健診結果が「要治療」など再検査が必要な人に受診をすすめる
・朝にラジオ体操を行う
・階段の利用を推進する
■健康づくりのための社内環境の整備
■禁煙対策
・事業場に健康測定機器(血圧計、体温計など)を設置する
・定期的にミーティング等で健康づくりに関する話し合いの場を設ける
・屋外に喫煙場所を設置する
・禁煙を推進するポスターを掲示する
■食生活改善
■心の健康づくり
・食事に関するリーフレットを提供する
・食生活改善キャンペーンを行う(例:ノンオイルドレッシングの推奨キャンペーン)
・管理職などが毎日従業員に声かけを行う



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まとめ

この記事では、健康経営の課題を解決するための戦略について以下の内容で解説しました。

  • 健康経営における課題の存在
  • 健康経営に取り組む際の具体的な課題
  • 健康経営の課題を解決に導く方法

健康経営の実施過程では、さまざまな課題に直面する可能性があり、健康経営の効果を最大限に引き出せなくなってしまう可能性があります。

健康経営に取り組む際に発生する主な課題としては、経営層の理解不足や担当者の業務過多、従業員の意識が低いことなどがあげられます。

それぞれの課題への対処法としては、経営層に向けた意識改革の施策、健康経営担当者の業務見直し、従業員への健康経営に係る教育などが有効です。

保健同人フロンティアが提供する『HoPEヘルスケア』は、従業員の健康データの一元管理やシームレスな情報共有ができるシステムで、健康経営の取り組みの効率化が可能です。

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監修者:保健同人フロンティア 黒坂泉
監修者:保健同人フロンティア 黒坂泉
企画マーケティング室 企画マネージャー 臨床心理士/健康経営エキスパートアドバイザー 大学院修了後、EAP企業にて、心理学の知見に基づいた企様々な業向けのメンタルヘルスケアサービスの企画・開発。従業員向けのゲーム研修開発や睡眠改善プログラムアプリサービスの企画開発を行う。現在は、企業人事向けの健康経営支援サービス開発の他、新規事業企画、マーケティング戦略企画・実行を担当する。また、大学との共同研究にも参加し、第30回日本産業ストレス学会(2022年)にて、当社が独自に開発した「職業性レジリエンス向上研修」の効果検証について発表を行った。

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