健康経営の評価制度とは?会社で取り組むべき内容や認定要件
健康経営を推進して社会的に評価を受けたい場合、どのような取り組みを行うべきか気になる方も多いのではないでしょうか。
健康経営の評価には、経済産業省が設けた健康経営優良法人認定制度があります。
また、健康経営に直結する評価制度とは別に、安全衛生優良企公表制度やDBJ健康経営格付融資などがあります。
この記事では、健康経営の評価制度や法人で取り組むべき内容について詳しく解説します。
目次[非表示]
- 1.健康経営における評価制度とは
- 2.健康経営優良法人認定制度とは
- 3.その他の評価制度
- 3.1.安全衛生優良企業公表制度
- 3.2.健康寿命をのばそう!アワード
- 3.3.DBJ健康経営格付融資
- 3.4.地域独自の施策
- 4.健康経営の評価を得るポイント
- 5.健康経営の評価アップを支援する『HoPEサービス』
- 6.まとめ
健康経営における評価制度とは
健康経営とは、従業員などの健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践することです。
健康経営に直結する評価制度は、経済産業省の健康経営優良法人認定制度ですが、健康経営の取り組みに付随して、その他の健康に係る評価制度の認定も取得できる可能性があります。
これによって、求職者や従業員、金融機関などから会社の価値を高く評価されるようになるのがメリットです。
健康経営における評価制度は自社と優良な法人との比較ができ、自社の健康経営のフィードバックへの活用が可能です。
健康経営優良法人認定制度とは
健康経営優良法人認定制度とは、特に優良な健康経営の取り組みを行なっている法人を可視化する制度のことです。
そのなかでも、特に優良な取り組みだと認定されると、ホワイト500・ブライト500・健康経営銘柄に選定されます。
ここでは、健康経理優良法人制度とされるホワイト500とブライト500について詳しく解説します。
ホワイト500
健康経営優良法人認定制度のホワイト500は、経済産業省によって設計された顕彰制度で、認定要件も経済産業省によって定められています。
ホワイト500には、大規模法人部門認定法人のなかでも、健康経営度調査結果の上位500法人のみが認定されます。
ホワイト500の主な認定要件と項目は以下の通りです。
主な項目 |
評価項目の概要 |
認定要件 |
経営理念・方針 |
健康経営の方針や指標を発信しており、第一線で取り組んでいる |
必須 |
組織体制 |
経営層が健康づくりの責任者になっており、産業医・保健師の関与が伴い、健保保険者と連携している |
必須 |
制度・施策実行 |
健康経営の課題提起や実践、健康づくりの具体策を実施している |
15項目のうち13項目以上該当する |
評価・改善 |
健康経営の実施についての効果を検証している |
必須 |
法令遵守・リスクマネジメント |
定期健診の実施、ストレスチェックの実施義務のクリア、労働基準法・労働安全衛生法において違反していない |
必須 |
実際に健康経営度調査を行う場合は、『健康経営銘柄2024選定基準及び健康経営優良法人2024(大規模法人部門)認定要件 』で細かな項目についても確認する必要があります。
ホワイト500に認定されると、認定証やロゴを使用できるようになります。
従業員の健康維持だけではなく会社のイメージアップもできるため、人材獲得数の向上や自社サービスの販売促進につながるのがメリットです。
ブライト500
ブライト500もホワイト500と同様で、経済産業省によって設計され、認定要件が定められてる顕彰制度です。
ブライト500は、中小規模法人の健康経営優良法人のうち、上位500法人のみが認定されます。
ブライト500の認定要件は、5つの大項目で構成されており、ホワイト500よりも認定要件が少ないです。
『健康経営優良法人2024(中小規模法人部門)認定要件』によると、経営理念と組織体制の項目が減っており、内容が比較的軽くなっているのがわかります。
経営理念の観点では、健康宣言の社内外への発信と経営者自身の健診の受診が必要です。
組織体制では、健康づくり担当者の設置と必要に応じて40歳以上の従業員の健診データの提供が求められます。
ブライト500に認定されるメリットは、ホワイト500と同様です。
従業員の健康維持だけではなく、会社のイメージアップによる人材獲得数の向上や販売促進につながります。
健康経営銘柄
健康経営銘柄は、東京証券取引所の上場企業のなかから、健康経営への取り組みにおいて特に優れた会社が銘柄として選定される制度です。
これは、企業価値の長期的な向上を重要視するステークホルダーに対して、魅力的な会社であることを紹介するためです。また、法人による健康経営の取り組みを促すことが目的とされています。
健康経営銘柄は、通常、1業種につき1社しか選ばれません。そのため、健康経営度が高く魅力的な法人が選出される傾向があります。
健康経営銘柄の選定は、健康経営度調査によって行われます。
この調査は経済産業省によって実施され、健康管理における施策や効果を確認するために行われるアンケート調査です。
専門家で構成される委員会がアンケートを作成しているため、健康経営の実施において重視すべき点やどのように取り組むかが明確になります。
その他の評価制度
健康経営の取り組みを実践することで、職場の安全性や健康寿命などのさまざまな観点で、健康経営優良法人認定制度以外の評価制度に認定される場合があります。
ここでは、健康経営に取り組むことで認定される可能性がある、その他の評価制度について詳しく解説します。
安全衛生優良企業公表制度
安全衛生優良企業公表制度は、厚生労働省によって安全衛生優良企業の認定が行なわれます。厚生労働省によって以下のように定義されています。
安全衛生優良企業は、労働者の安全や健康を確保するための対策に積極的に取り組み、高い安全衛生水準を維持・改善しているとして、厚生労働省から認定を受けた企業のこと。
引用元:厚生労働省『安全衛生優良企業制度について』
安全衛生優良企業の認定を受けると、認定マークの使用ができるようになります。
自社が健康経営において優良な法人であることをPRでき、採用活動における求職者へのアピールや顧客へ自社のイメージアップができます。
厚生労働省のホームページで認定の法人の公開がされるため、法人の認知度を向上が可能です。
健康寿命をのばそう!アワード
『健康寿命を伸ばそう!アワード』は、厚生労働省によって表彰がされる制度です。
国民全体が人生の最後まで、健康で楽しい毎日を送ることを目標として、健康寿命を伸ばすための、優れた取り組みを行なう団体に対して表彰がされます。
DBJ健康経営格付融資
DBJ健康経営格付融資は、経済産業省によって従業員の健康管理の取り組みが優れている法人を評価し、融資条件を設定する制度です。
DBJが独自に開発したスクリーニングシステムで、評価が行われます。
融資の実行後は、評価結果に基づいてフィードバックが行われ、健康経営を促進させるためのサポートも付帯します。
DBJの評価によって、利用する会社の取り組みが可視化されるため、社外へのPRが可能です。
地域独自の施策
一部の地方銀行でも、金融面で健康経営の取り組みをサポートしています。
また、地方自治体では、健康経営を推進する会社を評価して、公共調達の入札項目に組み込んでいるケースもあります。
全国各地における多様なサポートは、健康経営優良法人認定事務局が公開している『地域の取り組み』で確認可能です。
健康経営の評価を得るポイント
健康経営の評価を高めるには、健康経営度調査への参加でもらえるフィードバック(調査結果)の活用が有効です。
フィードバックには、取り組み状況を点数化した情報が記載されています。
自社と同じ業種の法人のなかで、健康経営の偏差値がトップの法人と比較すると、健康経営の評価アップが可能です。
たとえば、健康経営の取り組みを社外に公開する方法は、アニュアルレポートや統合報告書などのさまざまな手法があります。
このような情報公開の手法を参考にすると、評価制度の認定要件を満たしやすいです。次に、業種トップの法人とのギャップを参考にして健康課題の提起を行います。
健康経営度調査の調査票は、施策への取り組みの有無しか問われておらず、形式上の課題しか発見できません。
実行した施策に対して、社内で話し合いを行い、より健康経営を推進できるように提起された課題を細かく分析する必要があります。
分析で明確になった課題を踏まえて、次年度の健康経営調査に向けて具体的な対策の立案が大切です。
健康経営の評価アップを支援する『HoPEサービス』
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まとめ
この記事では、健康経営の評価制度について以下の内容で解説しました。
- 健康経営優良法人認定制度の概要と評価基準
- 健康経営銘柄の概要と評価基準
- 健康経営の評価を得るポイント
健康経営を評価する制度は、健康経営優良法人認定制度です。
健康経営優良法人認定制度には、大規模法人部門認定法人のなかから上位500法人が認定されるホワイト500や、中小規模法人の健康経営優良法人の上位500法人が認定されるブライト500があります。
健康経営の評価向上を目指す取り組みには、健康経営度調査でもらえるフィードバック(調査結果)の活用や、健康データの可視化および適切な管理などがあげられます。
保健同人フロンティアが提供する『HoPEサービス』は、社内に散見する健康データの一元化と専門的な観点での分析で、健康経営の課題を解決するサービスです。
健康経営銘柄や健康経営優良法人の評価基準を捉えたアドバイスと健康データの活用で、健康経営の推進を強力にバックアップします。
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